Ansys 2020 R2により、ANSYSの次世代の工学シミュレーションソフトウェア、HPCリソース、およびプラットフォームソリューションがアップグレードされ、チーム全体のグローバルコラボレーションおよび情報共有が強化されます。このバージョンアップにより、世界各地に分散したチームが組織全体にわたるイノベーションを推進することを可能にする鍵となる、高度な問題解決およびコラボレーション機能がもたらされます。

Ansys 2020 R2は、エンジニアチームがANSYSの主力製品スイート全体にわたって新しいワークフローと動的機能を活用することにより、あらゆる環境でイノベーションを加速し、最新の設計を作成できるよう支援します。仮想デスクトップインフラストラクチャーのサポートなどのANSYS Cloudの提供機能のアップデートにより、ANSYSの主力製品のシミュレーションソリューションが、クラウドベースのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)によって提供される高度にスケーラブルな演算能力と統合されます。強力なワークフローによって強化されたプラットフォームソリューションにより、データと構成管理、依存性の可視化、および意思決定のサポート用として強化された機能、ならびにプロセス統合、設計最適化、および材料管理用の使いやすいワークフローを使用して効率化されたユーザーエクスペリエンスを実現します。ANSYSのデジタルツインソリューションは、アセットのリモート監視を可能にする、予知保全用として重要なコンポーネントです。

これらの機能が連携して、ユーザーがこれまで以上に大規模で複雑な設計をより簡単かつ迅速に生成し、生産性を上げ、高品質の製品の開発を促進し、開発期間、市場への投入期間を短縮できるよう支援します。

  • 3D設計:次世代の製品設計を目的とした迅速な設計調査

    このリリースでは、瞬時に得られる物理特性、実績のある高忠実度シミュレーション、および対話的な形状モデリングを、使いやすい単一のインターフェースに組み合わせた初の製品設計ソフトウェアであるANSYS Discoveryが導入されています。

    ユーザーは、従来のシミュレーション結果を何日も何週間も待つことなく、大規模な設計空間を探索し、製品設計の早期に設計に関する重要な質問の解答を得ることができるようになりました。Discoveryは、人間主導(Human-Driven)の相互作用をジェネレーティブアルゴリズムとシームレスに統合することによって新しい設計のインスピレーションを提供します。また、マルチフィジックスシミュレーションが組み込まれているため、製品に対する迅速かつ正確な洞察を提供します。

    シミュレーション用の概念モデリングとモデル準備をサポートするAnsys SpaceClaimのアップデートには、変更されたCAD形状のインポートを可能にするブロック記録と双方向CADインターフェース、3D設計用の複雑なスケッチの作成を容易にする制約ベースのスケッチ、および形状の再構築を自動化するためのAnsys Mechanicalからのトポロジー最適化結果の自動スキンニングが含まれます。

    ウェビナー

  • 付加製造技術(Additive Manufacturing)

    ANSYS Additive Suiteの新機能により、ユーザー定義の材料を追加し、EOSビルドファイルをインポートできます。また、カットオフ、熱処理、およびその他の高度なシナリオをシミュレーションするためのAdditive PrintからWorkbenchへのワークフローが改善されました。

    • Ansys Additive Scienceでは、独自の材料パラメータを定義できるようになりました。たとえば、浸入度および吸収率は必要な内部入力ですが、これらは通常、不明であり、その他のプロセスパラメータに基づいて変化します。ユーザー定義の材料機能を使用すると、傾向を確認し、浸入度および吸収率におけるこれらの変化に対応できる新材料を作成できます。
    • ANSYS Additive Printには、MAPDLをソルバーとして使用した指向性のカットオフが含まれます。
    • EOSマシンのビルドファイルは、Additive Printにインポートできるようになりました。
    • Additive Prepの追加機能には、部品フリーエリアの自動衝突チェック、単一部品領域での複数のサポート、およびCLIファイルのエクスポート機能が含まれます。

    ウェビナー

  • 電磁界解析

    Ansys 2020 R2には、効率化されたエレクトロニクスワークフロー、熱機械統合、およびハイパフォーマンスコンピューティングの進歩を活用した新機能があります。

    • Ansys HFSSは、5G機器の生体適合性を自動的に計算します。さらに、アレイアンテナ用の強化されたHPC 3D Component DDMソルバーが組み込まれました。
    • Ansys EMA3D Cableは、プラットフォームレベルのEMI/EMCケーブルハーネス解析を実現します。
    • Ansys SIwaveは、シグナルインテグリティメトリックを自動的にレポートし、ICベンダー選択用のシステム性能に準拠するための複雑なアルゴリズムモデルを生成します。
    • Ansys Maxwellは、繰り返される非平面放射境界条件内でのスライス専用解決によって電気モータの周期的反復性を活用します。
    • Ansys Icepakは、システム温度に基づいてアクティブな機器特性を自動調整する動的熱管理をサポートしています。
    • Ansys Lumericalは、プロセス対応のカスタム設計を導入し、統計的サポートを改善し、CMLコンパイラのユーザビリティを高め、拡張されたPhotonic Verilog-Aモデルライブラリを提供します。

    ウェビナー

  • 組込みソフトウェア

    Ansys SCADEは、ISO 26262 ASIL D認証を満たし、AUTOSAR RTE準拠のソフトウェアコンポーネントのコード生成フローにより、より安全な組込み車載ソフトウェアを実現します。Ansys SCADE Visionは、マルチGPU並列化を通じてAIベースの認知ソフトウェアのテストの展開、スケーラビリティ、およびパフォーマンスを改善します。さらにAnsys medini analyzeとの自動統合を提供することにより、SOTIFなどに準拠しながら危険の体系的な特定を実現します。

    組込みアビオニクスソフトウェアの安全を高めることを目的として、このリリースでは、タッチスクリーン式コックピット表示システムの応答性を改善するためにインタラクティブなARINC 661ウィジェットを追加するとともに、Ansys SCADE Display KCG 6.7.1 Code Generatorの新しい認定バージョンをサポートしています。

    ANSYS SCADE Suite Design Verifierのマルチコア対応のフォーマル・プルーフ・エンジン(formal proof engine)により、安全特性のパフォーマンス/検証を改善します(60X)。Siemens Polarion®との新しいALM GatewayコネクターがすべてのSCADE製品に統合されました。これによって、プロジェクトのライフサイクル全体を通じて要件とトレーサビリティへのアクセスが提供されます。

    ウェビナー

  • 流体解析

    流体解析製品では、改善されたワークフロー、革新的な機能、および新機能によってイノベーションを加速します。

    • Ansys Fluentのワークフローの改善により、単一パネルでCHTのセットアップが可能になり、バッテリーシミュレーションが合理化されます。Fluentではまた、ECM(等価回路モデル)としてFMU(Functional Mock-up Unit)を使用できるようになり、電気的性能の入力の柔軟性が高まりました。
    • Fluentの新しいバッテリー容量劣化モデルは、高放電率での放電時間を正確に予測します。バッテリーの容量劣化も、新しいエージングモデルによってカレンダー寿命およびサイクル寿命から予測できます。
    • Ansys Forteで自動メッシングおよび実在気体物性を含む冷媒データベースを使用して、容積形圧縮機を迅速かつ正確に解析できるようになりました。
    • Fluentの自由形状最適化(アジョイント)ソルバーが、最先端のGEKO乱流モデルを使用して高い精度で形状感度を計算できるようになりました。
    • GENTOP(一般化2相)モデルにより、Fluentでより広範な混相流の状態遷移を扱えるようになりました。
    • GPUベースのアニメーションにより、Ansys CFXの非定常翼列の結果を加速します。

    ウェビナー

  • 材料

    ANSYS 2020 R2は、材料情報を改善することにより、デジタル化された材料ナレッジを使用して優れた製品を開発できるよう支援します。新機能には以下が含まれます:

    • より多くのAnsysソルバーのシミュレーション向けの材料データ:Ansys Discovery LiveおよびAnsys Fluentシミュレーション向けMaterials Data for Simulation (MDS)のエクステンションには、Ansys MechanicalおよびAnsys Electronics Desktop向けのシミュレーション用としてより準備が整ったデータが付随しています。
    • Siemens NX™およびAnsys Workbenchを使用したCADおよびCAE向けの既存クロスプラットフォームのサポートを基盤とした、Ansys GRANTA MI ProにおけるCreo設計ツールとの材料データ管理の統合
    • 統合化ユーザーインターフェースおよびANSYS Minervaやその他のエンタープライズシステムとの高度な統合によって大幅に強化されたAnsys GRANTA MI Enterpriseのユーザビリティー
    • 規制物質、MMPDS、およびASME用の最新の材料データセットのバージョンの更新に加えて、Ansys GRANTA SelectorおよびGRANTA MI Pro間の統合の向上

    これらの改善は、お客様が幅広い材料情報を通じてより迅速かつ革新的なデジタル製品開発を行うという目標を達成する上で役に立ちます。

  • 光学解析

    Ansys 2020 R2は、複雑なセンサー、プロジェクトレビュー、および演算処理を改善する機能強化によって、Ansys SPEOSユーザーがこれまで以上の解析を実行できることを可能にします。

    その強化機能は次のとおりです。

    • 高度に正確なカメラモデルにより、カメラのシミュレーションエクスペリエンスが大幅に改善
    • SPEOS Live Previewの新しいバージョンにより、精度が向上し、光源を使用する際のシミュレーション時間が短縮され、ほぼリアルタイムのレビューが可能
    • 最適化されたGUIにより、シミュレーションのセットアップ時間が4倍短縮

    ウェビナー

  • プラットフォーム

    ANSYS CloudにはVirtual Desktop Infrastructure(VDI)が用意されているため、完全なクラウドベースのワークフローを実行できます。Ansys Mechanical、Ansys Fluent、およびAnsys Electronics Desktopは、VDIを使用した任意のコンピュータからワークステーションクラスのアーキテクチャ上で実行できます。

    また、ANSYS Cloudは現在、Ansys LS-DYNAを完全にサポートしているため、LS-DYNAによる解析結果をANSYS Cloudにシームレスに送信し、演算能力を強化できます。

    ANSYS Minervaには、以下の拡張機能があります。

    • プロジェクトと入出力の間の複雑なデジタル依存性を視覚的に掘り下げて横断するインタラクティブ機能
    • エコシステムコネクター
    • 材料からCAEまでのトレーサビリティを可能にするためのAnsys GRANTA MIとの接続
    • 完全に自動化されたAnsys Spaceclaimのアセンブリのハンドリング
    • Ansys optiSLang HPCジョブのサポート

    拡張機能には、ウィザードベースのセットアップを介したoptiSLangとAnsys Electronics Desktop間の新しい接続が含まれます。

    新しいDeep Learning Extensionにより、ニューラルネットワークがMOPに追加され、非常に大規模なデータセットを解析することが可能になります。

    ウェビナー

  • 半導体

    Ansysは、半導体回路と3D-ICパッケージに最適な電磁界シミュレーションおよび抽出ツールであるRaptorHを採用しています。Ansys HFSS電磁界シミュレーションエンジンが組み込まれたことで、RaptorHは、チップ設計者が暗号化されたファウンドリテクノロジーファイルにアクセスできるようになり、検証機能と使いやすさを提供します。

    Ansys Power Artistは、早期サインオフ基準としてスタティック電力効率機能を使うことで、ベクタを必要とせずにRTL IPの品質を評価します。また、エミュレータが生成したロングアクティビティのシナリオを扱うことでパワートレンドの確認を加速できます。

    Ansys RedHawk SCに新しく備わったNPV(no-propagation vectorless)ダイナミック解析手法は、電力グリッドの弱点を特定し、カバレッジ90%以上の動作シナリオを可能にします

    ANSYS Totemの新しいアダプティブメッシングでは大規模PMIC設計がサポートされ、従来型ソリューションよりも、実行時間が4~5倍改善され、20~40%のメモリフットプリントとなります。

    RedHawk-SC製品ファミリーは、マルチフィジックスサインオフ用の4nm/3nmまでのFinFETノード処理技術および2.5D/3D-ICパッケージテクノロジー向けに認定されています。

  • 構造解析

    Ansys 2020 R2のANSYS Mechanicalでは、イノベーションを加速するために自動車、信頼性の高いエレクトロニクス、および改善されたワークフローに焦点を当てて、高度かつインテリジェントな非線形の構造ソルバーに重要な拡張機能が組み込まれています。

    • 新しい接触検出技術では、ノードポイントとガウスポイントの組み合わせを使用して、接触のロバスト性が強化されました。
    • テストデータを材料モデルにより適切に適合させるために、新しいパラメータ適合機能によって、熱機械疲労などの用途で使用される塑性モデルの照合が改善されました。
    • 新しいサイクルジャンプ機能により、負荷サイクルを繰り返すたびにプラスチックの損傷が蓄積する熱機械疲労の解決時間が短縮されるため、サイクルを「ジャンプ」することが可能になります。
    • 高速の衝撃、爆破、または爆発を解析するための平滑粒子水力学(SPH)などのAnsys LS-DYNAソルバー機能がMechanicalインターフェースに統合されています。
    • Ansys Sherlockには現在、トレース強化機能が用意されているため、ほぼ全体的にヘキサ要素で構成された、より正確な電子モデルおよびメッシュを実現できます。
    • 構造用鋼の適用範囲を広げるANSYS GRANTA Materials Data for Simulationデータセットが、Mechanical内で使用可能になりました。

    ウェビナー

  • システム

    Ansys Twin Builderは、ANSYS Twin Deployerの導入によってデジタルツインの展開と検証をより迅速かつ容易にします。Twin Deployerにより、展開時間が大幅に短縮され、クラウド、エッジ、またはオフラインのコンピューティングリソースを使用してデジタルツインを簡単に展開できるようになります。

    Ansys VRXPERIENCEは、自動運転(AD)向け組込みソフトウェア機能の開発および検証に重要な機能を提供します。これには、高度なLiDARモデルから、カメラのハードウェアインザループのケースを昼間まで拡張する拡張昼光シミュレーション用の新しい天空モデルまで考慮されます。また、SCANeR™を採用したVRXPERIENCE Driving Simulatorは、AD機能の開発用として完全な新車評価プログラム(NCAP:New Car Assessment Program)シナリオキットを提供します。

    ANSYS medini analyzeは、AIAGおよびVDAと調和した故障モード影響解析(FMEA)方法論をサポートしているため、自動車分野のサプライヤーが容易にFMEA要件を満たすことができます。このアプローチでは、代替評価オプションとしてのアクションプロパティ(AP)、および故障に対するシステム応答にアクセスするためのFMEA-MSRも提供します。同様に、リスクマトリクスをプロジェクト要件に適合させるために、カスタマイズ可能なFMEAリスクパラメータ用のFMEA拡張機能が利用可能になりました。

    ウェビナー

  • マルチフィジックス

    Ansys System Couplingを使用するマルチフィジックスシミュレーションについては、Ansys 2020 R2で重要な拡張機能が実現されました。

    • 誘導加熱ケースでは、過渡励振および過渡運動を考慮できるようになりました。
    • Ansys MaxwellとAnsys Fluentを使用した電気-熱シミュレーションの実行後、その3D領域の温度をFluentからAnsys Mechanicalへマッピングして応力解析を実行できます。
    • 流体インターフェースを含む流体-構造連成シミュレーションは、ロバスト性が強化され、数値手法および計算安定化手法が大きく改良されました。
    • 安定化により大幅に使いやすくなり、広範な流体-構造連成および電気-熱ケースを対象とした収束が改善されました。
    • ワークフローの改善には、有益なエラーメッセージ、フィルター、チャート、およびスナップショットが含まれます。

    ウェビナー