ANSYS Q3D Extractorの機能

高速かつ正確な3次元寄生抽出

ANSYS Q3D Extractorには、電子パッケージ、タッチスクリーン、パワーエレクトロニクス変換器に向けた、数種類の寄生抽出ソリューションが搭載されています。

3次元準静的磁界ソルバー
ANSYS Q3D Extractorはモーメント法(MoM)に基づく高度な準静的3次元電磁界ソルバーを搭載し、高速多極法(FMM)によって加速されます。その効果には、近接およびスキン効果、誘電および抵抗損失、周波数依存などがあります。Q3D Extractorは、抵抗(R)、部分インダクタンス(L)、キャパシタンス(C)、コンダクタンス(G)の3次元抽出を容易かつ迅速に提供します。

2D Extractor:ケーブルと伝送線路電磁界ソルバー
ANSYS Q3D Extractorには、ケーブルモデルのための単位長さあたりのRLCGパラメータ、伝送線路、特性インピーダンス(Z0)マトリクス、伝搬速度、遅延、減衰、実効誘電率、作動および共通モードパラメータ、近端・遠端クロストーク係数を求める、有限要素法(FEM)を使用するパワフルな準静的2次元電磁界ソルバーを搭載しています。

高速かつ正確な3次元寄生抽出

自動アダプティブメッシング

自動アダプティブメッシング手法で指定する必要があるのは、形状、材質特性、目標出力のみです。このメッシュ生成処理は極めてロバストな容量メッシュ生成技術を採用し、また使用メモリ量を低減し、シミュレーションまでの時間を短縮するマルチスレッド機能を搭載しています。この実証済みの技術は有限要素メッシュの構築と精緻化の複雑さを解消し、高度な数値解析が組織の全レベルにおいて実用的なものとなります。

自動アダプティブメッシング

IBISパッケージモデルの抽出

回路シミュレーション用の極めて精度の高い低減次数SPICEモデルを生成する機能により、ANSYS Q3D ExtractorはIBISパッケージモデルの生成に理想的なソフトウェアとされています。多層プリント回路基板、高度な電子パッケージ、3次元オンチップ受動素子を含む、高速電子設計の性能に対する理解の向上に役立つ、クロストーク、グラウンドバウンス、配線遅延、リンギングの考察が可能です。さらに、Q3D Extractorは、チップ、パッケージ、および回路基板間の接続経路(例:コネクター、ケーブル、ソケット、伝送線路)用に、またパッケージ内(ボンドワイヤ)と回路基板上(クリティカルネット)のクリティカルな相互接続素子の電気的寄生の抽出に不可欠です。

IBISパッケージモデルの抽出

等価回路モデルの生成

ANSYS Q3D Extractorを活用して、等価回路モデル(SPICE分岐回路/はしご形集中モデル)を生成することができます。Q3D Extractorが生成するモデルの種類は、使用するソルバーによって異なります。2次元および3次元電磁界ソルバーは、Simplorer SML、HSPICE Tabular W-Element、PSpice、Spectre、IBIS ICM/PKGモデルやANSYS CPPモデルなどの共通形式を生成します。

等価回路モデルの生成
Q3D Extractorによる、非理想スイッチング特性を示す電力変換器のRLC抽出。

電力変換器の設計

ANSYS Q3D Extractorは、逆変換器/変換器のアーキテクチャを最適化し、バスインダクタンス、過電圧の状態、短絡電流を最小化するために、ハイブリッド電気技術や出力分配アプリケーションに使用されるパワーエレクトロニクス機器を設計するのに理想的です。このソフトウェアは、抵抗、部分インダクタンス、キャパシタンスの寄生を、高出力バスバー、ケーブル、高出力逆変換器/変換器モジュールから抽出し、次にパワーエレクトロニクスシステムのEMI/EMCの性能を考察するために、抽出した寄生をANSYS Twin Builderに入力します。Ansys IcepakANSYS Mechanicalへのリンクは、電流に起因して生じる電熱応力の考察を可能にします。

電力変換器の設計

タッチスクリーン設計

Q3D Extractorを使用してタッチスクリーンデバイスのRLCGマトリクスデータを解析することで、設計に伴う問題を解決することができます。ITOなどの薄い導電層を効率的に解析する機能は、従来の厚膜金属ソリューション手法の最大22倍の高速化を実現します。


マルチドメインシステムのモデリング

Simplorerは、システムレベルのプロトタイプのモデリング、シミュレーション、および解析に対応する強力なプラットフォームで、ANSYS Maxwell、ANSYS HFSS、ANSYS SIwave、およびANSYS Q3D Extractorと統合されています。製品開発チームによるソフトウェア制御下のマルチドメインシステム設計性能の検証および最適化を可能にします。柔軟性に優れたモデリング機能と、ANSYS 3D物理シミュレーションとの緊密な統合によって、Simplorerはシステムレベルの物理モデルの組み立てとシミュレーションを広範にサポートし、コンセプト設計、詳細解析、システム検証間の相互関係を打ち立てることができます。Simplorerは、電化システム設計、発電、電力変換、電力貯蔵および配電の用途、EMI/EMC調査および一般的なマルチドメインシステム最適化と検証に理想的です。

マルチドメインシステム

主要機能:

  • 回路シミュレーション
  • ブロック図シミュレーション
  • ステートマシンシミュレーション
  • VHDL-AMSシミュレーション
  • 統合グラフィカルモデリング環境
  • パワーエレクトロニクス機器とモジュールの特性評価
  • MathWorks Simulinkとのコシミュレーション

モデルライブラリ:

  • アナログとパワーエレクトロニクスコンポーネント
  • コントロールブロックとセンサー
  • 機械コンポーネント
  • 油圧コンポーネント
  • デジタルとロジックブロック

用途固有のライブラリ:

  • 航空宇宙電気ネットワーク
  • 電気自動車
  • 電力システム
  • 特性化したメーカーコンポーネント
  • 次数低減モデリング

 


ハイパフォーマンスコンピューティング

エレクトロニクス向けのANSYS Electronicsハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)ソリューションにより、最も厳しく困難なモデル、すなわち形状の詳細が多く、システムが大型で物理的に複雑なモデルの解析を並行処理できます。ANSYSは単純なハードウェア高速化の範疇を大きく超えて、マルチコアマシン用に最適化され、フルコンピューティングのクラスタの能力を活用できるスケーラビリティを備えた、画期的な数式ソルバーとHPC手法を提供する領域に到達しています。必要なHPCの容量は、単純に解析で使用するコアの合計数で決まり、使用するHPC技術とは無関係です。

マルチスレッド化:Electronics HPCは、解析時間を短縮するために、単一のコンピュータで複数のコアを活用します。マルチスレッド化技術は、メッシュ生成の初期処理、マトリクス解析、磁場回復を高速化します。

スペクトル分解法:スペクトル分解法(SDM)は、並列計算コアとノードで複数の周波数ソリューションを分布させて、周波数掃引を加速させます。マルチスレッド化と並行してこの方式を利用することによって、個々の周波数ポイントの抽出を高速化しながら、SDMでマルチ周波数ポイント抽出を並行処理できます。

クラウドHPC: ANSYS Cloudにより、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)へのアクセスと利用が極めて容易になります。これは、HPC向けの代表的なクラウドプラットフォームであるMicrosoft® Azure™とのコラボレーションにより開発されました。ANSYS CloudはANSYS Electronics Desktopに統合されているため、設計環境から直接、無制限にオンデマンドで演算パワーにアクセスすることができます。詳細は、ANSYS Cloudのページをご覧ください。

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