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Ansysブログ

April 13, 2021

AIとMLはシミュレーションをどう変えるのか

過去の50年間で、エンジニアリングシミュレーションの分野では、エンジニアがより高い精度とロバストな結果で、より速く、より簡単に3次元物理問題を解析できるようにする数値的手法が開発されてきました。有限要素法解析(FEA: Finite Element Analysis)、有限体積法(FVM: Finite Volume Method)、および有限差分時間領域(FDTD:Finite Difference Time Domain)法により、ソルバーの効率が向上し、動的な可視化技術によってさらにユーザー にとってわかりやすいものとなりました。

しかし、これらの改善にもかかわらず、いくつかの課題がまだ残っています。シミュレーションでは、具体的には次のようなトレードオフが同時に必要です。

1.      結果の精度

2.      結果のスピード

3.      ワークフローの使いやすさ

4.      ワークフローのロバスト性

たとえば、マルチフィジックスソリューションの構成要素であるメッシュ生成を考えてみましょう。粗いメッシュを使用するとシミュレーション速度が向上しますが、精度が低下することはよく知られています。同様に、シンプルなメッシュを使用した使いやすいワークフローも精度を低下させ、シミュレーションが収束しない、あるいはロバスト性が失われるなど、他の問題を引き起こす可能性があります。

こうした問題をすべて解決するために、Ansysは人工知能/機械学習(AI/ML)の活用を検討しています。

 

同時進行での改善

AIの商業化は1970年代に始まりましたが、実際にはその10年ほど前にルールベースのエキスパートシステムの開発によって始まりました。AIの最も単純な形態であるこれらのシステムは、通常であれば人間の知性を必要とする問題を解決するために、厳選された人間の専門知識に頼ったものです。

創薬の効率化からロボット支援による手術、世界中の医療機関が瞬時にアクセスできる自動化された医療記録まで、AI/MLアプリケーションが科学と医療で積極的に使用されることが想定されます。しかし、AI/MLは、さまざまな業界やユーザーの間で急速かつ幅広く採用され始めています。さらに、消費者ブランドがソーシャルメディアをマイニングして、顧客が商品についてどのように感じているかを把握するのにも役立ち(感情分析)、投資家は株式取引の機会を把握し(金融アルゴリズム取引)、Eコマースのオーナーがオンラインショッパーに提供する商品をパーソナライズできるようになります(レコメンドエンジン)。

Ansysでは、AI/ML手法を使用してシミュレーションのパラメータを自動的に見つけ、スピードと精度を同時に向上させることができます。

拡張シミュレーションを用いて、データドリブンまたは物理法則に基づいた方法でニューラルネットワークを学習させることで、シミュレーションを100倍単位で高速化することができます。

AI/MLを適用することで、以下のことが可能になると考えています。

  • お客様の生産性をさらに向上させます。
  • チップの熱ソリューションの高速化や、局所領域での高忠実度ソリューションと粗い領域でのML法を組み合わせた流体ソルバーの開発など、シミュレーションの強化を図ります。
  • 設計スペースの探索を最適化します。
  • 当社ソルバーのリソース予測のニーズなど、ビジネスインテリジェンスの意思決定を推進します。
  • データ分析ベースのデジタルツインとシミュレーションベースのデジタルツインを組み合わせて、正確で高速なデジタルツインのハイブリッドを作成します。

言い換えれば、AI/MLは理想的な世界(時間、労力、効率、結果のバランスが完全にとれている世界)と現実世界の間のギャップを狭めるのに役立つと考えています。これにより、シミュレーションの生産性、使いやすさ、正確性のトレードオフを軽減できます。

AI/MLを使用してソルバーテクノロジーを向上させる当社の計画について詳しく知りたい方は、NVIDIA GTCカンファレンスでのPrith Banerjee博士のプレゼンテーションへの参加登録をご検討ください。

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