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Case Study

Yamada Power Unit社、シミュレーション駆動型のパラメトリック解析により開発効率を100倍向上


「PyAnsysのおかげで、専門知識がなくても一般的なPython環境で自由にモジュールを組み合わせることが可能になったため、当社は新技術(NT: New Technology)マップを考慮した形状進化型性能最適化開発フローを構築しました。これにより、開発効率が100倍以上向上しました。」

— 山田 知徳 氏, Yamada Power Unit株式会社 /代表取締役社長


Yamada Power Unit社では、顧客の要件に最適化された電気自動車および電動航空機用の幅広いモータインバータを設計、開発、製造しています。スタートアップである同社には、エンジンやガスタービンを用いたハイブリッド無人航空機向けの開発実績もあります。市場の期待に応えるため、Yamada Power Unit社は、このような極めて高い性能が求められるソリューションを厳しい時間的制約と予算下で開発しなければなりません。

課題

Yamada Power Unit社の顧客は、小型で軽く、出力密度が高い設計を要求しています。この要望を満たすためには、トレードオフの多い特定の条件や複数の分野間にまたがる最適化が不可欠です。ところが、初期製造コストの高さから、プロトタイプはせいぜい1~2回が限界です。

設計自由度が高いライフサイクル早期のロバストな計画および設計段階で設計精度を高めることのできるフロントローディング手法であれば、設計変更に関連するコストを抑えながら、全体的な製品品質を維持することができます。

高品質な製品を短期間で効率的に実用化するには、開発段階でフロントローディングによってフィードバックを行えるソフトウェアを選択することが重要です。マルチフィジックス機能と、APIを使用したパラメトリック解析のしやすさが、ソフト選定の主な基準でした。

エンジニアリングソリューション

通常のパラメトリックモデルの最適化では多くのパラメータを解析することになりますが、その膨大な計算量から、調査を特定の運転ポイントに限定したり、メッシュを単純化したりしなければならないことがよくあります。対して、モデルの最適化に進化的アルゴリズム(eA: evolutionary Algorithm)を用いれば、交雑および自然淘汰手法による効率的な形状探索が可能です。

Shape-evolution performance optimization

AnsysのオープンソースのPyAeDTスクリプトインターフェースにより、標準的なPython環境でさまざまな操作をシームレスかつスムーズに実行できるようになります。IronPython環境に頼っていたときとは対照的です。この機能を使用することで、パラメトリック解析の結果を抽出し、性能マップを生成して、全体制御の観点で最適化を行う外部アルゴリズムを作成できます。

What is the YPU Map Module

Yamada Power Unit社は、これらのタスクに特化したソフトウェアを開発しました。その出力は、グラフィカルなマップとフローチャートで表示され、速度およびトルク特性の最適化がNT上に示されます。まず、優れたトルクの特質を持つ形状を抽出する必要があります。次に、Yamada Power Unit社のすべての内製ツールを組み込んだ、従来の手法より必要な手動操作や計算が少ないPyAeDTスクリプトを使用して、NTマップを生成しました。続いて、マップの特徴スコアをもとに世代進化を考慮したアルゴリズムを使用して最適化を行いました。

Y process

期待どおりの目標値に達したものが出たら、Ansys Fluentによる熱成立性検討等の工程に自動で移行します。最適化で得られたモデルについて熱成立または構造成立する形状を割り出すパラリンピック解析には、FluentとAnsys Mechanicalを両方使用しました。

最後に、Ansys Maxwellでのさまざまなモータ解析の結果を活用するために、大規模なハイパフォーマンスコンピューティング(HPC: High-Performance Computing)環境で使用できるパラメトリックモデルを作成する必要がありました。10台のHP社製ワークステーション(1台あたりのコア数は48コア)を並列動作させることで、最適な形状を持つAnsys Maxwellのパラメトリックモデルを最短で作成することができました。

Hybrid units for drones

ベネフィット

  • シミュレーションによりモータのモデル形状をパラメータ化することで、それぞれの形状に対してパラメトリック解析をハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境で実施できるようになりました。
  • シミュレーション駆動型のパラメトリック解析により開発効率が100倍以上向上し、1日あたりの形状検討件数が数件から数百件に増加し、顧客の用途に沿った最善のインバータ設計をすばやく特定できるようになりました。
  • シミュレーション環境でのモデリングにより、物理的な試作回数が大幅に減り、同時にインバータの形状が改善されて、エネルギー出力や範囲など電動モータの全体的な効率が向上しました。
  • PyAnsysにより、Ansysのツールを非常にスムーズに操作できました。PyAnsysスクリプトを使用することで、Fluent、Mechanical、およびMaxwellでさまざまな操作を実行し、モータの機械的特性や熱的特性をより深く理解することができました。
  • PyAnsysスクリプトインターフェースの導入により、開発チームは、ソフトウェアの使用経験がなくても、Pythonでモジュールを自由に組み合わせて、形状進化型性能最適化フローを構築できました。
  • 導入により得られたワークフローでは、同社の新技術(NT)マップを考慮することで、新技術によって引き起こされる予期しない影響の把握が容易になります。

Ansysができること

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