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ケーススタディ

Argo Semiconductor社の先駆的な5Gアンテナ設計でAnsysのソフトウェアが威力を発揮 


「迅速かつ適切に動作するアンテナを開発するためには、Ansysのモデリング精度は不可欠です。開発サイクルを短縮し、貴重な時間と費用を節約することは、すべての企業にとって重要ですが、特に当社のように、小規模ながら大きな革新を目指す企業にとってはより重要となります。実際に、厳しい予算内で開発目標を達成し、お客様やパートナー企業のニーズに対応する高品質なアンテナソリューションを提供する上で、Ansysのスタートアッププログラムは不可欠な存在でした。」

Manolis Frantzeskakis氏(Argo Semiconductors社、CEO)


5Gを取り巻く状況は日々変化しています。5G-Advancedネットワークで新しい周波数が利用できるようになると、アンテナは6GHz帯域にアクセスでき、新たに開設されたプライベートネットワークやスタンドアロンの基地局と互換性が確保されることが必要となります。Argo Semiconductor社は、この5G時代に向けて設計された超薄型アンテナを開発しました。しかし、アンテナの薄さが帯域幅の課題を生み、集積度が高い無線コンポーネントがアンテナに熱的な悪影響を及ぼす可能性がありました。 

課題

5Gネットワークには、多くの無線と、より大型のアンテナアレイが必要となるため、シグナルインテグリティが損なわれる可能性があります。さらに、サブ6GHz 5Gアンテナには3D構造要素が必要となり、開発と導入のコストが増加します。最適なソリューションを実現するためには、従来のプリント回路基板(PCB)設備で製造できるように、アンテナアレイの再設計が必要です。それと同時に、連携するコンポーネントのシステムを実現するために、アンテナアレイとスプリッタ/コンバイナの設計プロセスを統合して最適化する必要があります。 

Argo Semiconductor’s 4x8x2 antenna array

Argo Semiconductor社の4×8×2のアンテナアレイ

エンジニアリングソリューション

  • HFSSは、アレイのサイズが大きいケースで優れたパフォーマンスを示しました。
  • ロバストな設計仕様を効率的に満たすために、HFSSを使用して、さまざまなパラメトリックスタディと最適化解析を実行しながら、並列ソリューション分散のためにAnsys HPCを活用して拡張性を高めました。
  • Argo Semiconductor社は、HFSSを使用して、アンテナアレイ構造の繰り返し特性を利用し、2Dプリントされたモノリシックなアンテナを開発しました。
  • アレイ設計は有限アレイとしてシミュレーションされ、Sパラメータと放射パターンの両方において、すべてのエッジ効果が適切に考慮されました。
  • アンテナアレイと統合された多素子スプリッタ/コンバイナまたは位相調整器の協調設計は、フルウェーブシミュレーションに従って、プロトタイプの特性評価を用いて協調最適化、シミュレーション、および妥当性確認が実行されました。
Radiation diagram for 4x8 antenna array

4×8アンテナアレイの放射ダイアグラム

ベネフィット

  • Argo Semiconductor社は、類似のツールを使用した場合と比べて、開発時間を約30%短縮できました。
  • 2Dプリントされたアンテナは、既存の3Dアンテナ構造に必要な独自の製造プロセスではなく、通常のPCBプロセスで製造できます。 
  • HFSSを使用することで、異なる帯域のより広範な周波数をカバーできます。