ANSYS SIwaveの機能

SIwaveパッケージ

SIwave テクノロジーには、特有のシミュレーションニーズを満たすために 3つの製品パッケージが用意されています。

SIwave-DC
SIwave-DCは、低電圧PCB、高電圧PCBおよびICパッケージのDC解析を目的としており、信頼性のある電源供給を保証するために重要なエンドツーエンド電圧マージンを評価することが可能です。DC電圧降下、DC電流およびDC電力損失に対するレイアウト前後でのwhat-if分析を実施することができます。このプロセスにより、電力分配ネットワーク(PDN:Power Distribution Network)が集積回路に適切な電力を供給可能であることが保証されます。その際、損失を最小限に抑制するために、PDNが適切なバンプ、ボールおよびピンサイズ、さらに適切な銅重量があることが確認されます このテクノロジーでは、熱的ホットスポットにつながる可能性がある過電流の部分が特定され、電磁界破壊のリスクが低減されます。PCBまたはパッケージ上の任意のコンポーネント間の経路抵抗(部分抵抗としても知られている)を迅速に解析して、電力供給のために最良なPDNトポロジーを選択する前に、PDNの相違を把握することが可能です。

SIwave-PI
SIwave-PI製品には、SIwave-DCが含まれ、正確に電力供給ネットワークのモデル化とPCBでのノイズ電話を実行するために、AC分析を追加します。SIwave-PIは電源品質の配電に関する課題を分析するのに最適で、デカップリングコンデンサーの選択と配置を自動的に最適化します。一方では、正確な電圧降下と電力喪失の分析を実行します。

SIwave
SIwaveにより、SIwave-DCおよびSIwave-PI機能がロバストなANSYS Nexxim時間領域回路シミュレーションエンジンと組み合わされます。視覚的に色分けされたフィードバックおよびHTMLレポートによる高速なZoおよびクロストークスキャンが可能です。ANSYS SIwaveでは特殊なフルウェーブ有限要素アリゴリズムを使用して、高速PCBおよび複雑なICパッケージ上での共振、反射、トレース間連成、同時スイッチングノイズ、電力/グラウンドバウンス、DC電圧/電流分布、および近接場および遠距離場放射パターンが計算されます。ANSYS SIwaveを使用すると、ECAD形状のインポート、IC、パッケージおよびPCBのGHz精度の相互接続モデルの抽出、駆動装置および受信機のトランジスタレベルモデルのインクルード、およびSSO解析、インピーダンスマッチングおよび電力供給システムの最適化を容易に行うことができます。このソリューションには、省電力指向のIBISおよびIBIS-AMIなどの共通IBIS解析が含まれ、設計エンジニアに対する仮想コンプライアンスが提供されます。

SIwaveパッケージ

レイアウトと形状のインポート

SIwave は、ECAD 形状、材料、コンポーネントをサードパーティ製の EDA レイアウトツールから直接、または ODB++ 規格を使用してインポートすることで、既存の EDA 設計フローにシームレスに統合できます。サポート対象ベンダー:Cadence Design Systems、Mentor Graphics、Zuken、Altium。

 

Cadence
Allegro v16.0以上
APD v16.0以上
Sip Digital/RF v16.0以上
Virtuoso 5.10、6.14、6.15、& 6.16(Linuxのみ)
Zuken(Zukenが販売)
CR5000 v10以上
CR8000 v2013以上
ODB++
Altium Designer R10以上
Mentor Expedition EE7.9.1以上
Mentor PADS v9.4以上
Zuken Cadstar v12.1以上
IPC-2581
Pulsonix Revision 8.5 build 5905以上
Altium Designer v2015以上
その他のECADフォーマット
.anf ANSYSニュートラルファイルフォーマット
.gds ICチップのフォーマット
.xfl RedHawk、従来のSentinelのフォーマット
.dxf AutoCadの図面フォーマット
SIwave、ANSYS Electronics DesktopのLead Frame Editorトランスレーター

電熱、構造解析

SIwave は 、電子部品のマルチフィジックスシミュレーション用のANSYSのソフトウェアポートフォリオとリンクされています。選択肢の1つは、ANSYS SIwaveからの電力分布マップをANSYS Icepakにエクスポートすることです。このマルチフィジックスソリューションにより、ANSYS SIwaveからのDC電力損失を熱源として使用して、ICパッケージおよびPCBの正確な伝熱モデル化が可能になります。ANSYS Icepakでは、過熱による部品の早期故障の原因になる可能性がある電子部品からの熱エネルギーの散逸に関連する問題が解析されます。その後でANSYS Mechanicalを使用して熱応力を評価することができます。このマルチフィジックスアプローチにより、エンジニアおよび設計チームは設計を完全に理解するための連成EM-伝熱-応力解析を実行することができます。

電熱、構造解析

SIwave Desktop

SIwave Desktop – SIwave Desktopによって、3Dおよび2.5D電磁界ソルバー、3D熱ソルバー、回路ソルバーの合理化された ECAD設計フローが使用可能です。この環境を使用すると、解析用の正確なソルバーテクノロジーを簡単に活用できるようになります。

HFSS – HFSS 3D FEMソルバーは、Sパラメータの解析時、またはICパッケージや PCBからのSPICEモデルの抽出時に、SIwave Desktop から開始できます。

PSI – PSI 3D Fast FEM ソルバーは、PDN Sパラメータの解析時、またはIC パッケージやPCBからのSPICEモデルの抽出時に、SIwave Desktop からインスタンス化できます。さらに、3D AC 電流は、SIwave Desktop 内で可視化し、信号、電力、リターン電流などを表示します。

CPA – CPA(チップパッケージ解析)ソルバーは、RLC またはSパラメータネットリストを大型のチップパッケージデザイン用に抽出するとき、SIwave Desktop からインスタンス化できます。IC デザイナーはCPAソルバーを RedHawk内で活用して、チップとパッケージのデザインの相互的な可視化を実現します。

Q3D Extractor – Q3Dソルバーは IC パッケージと PCB 上で、RLC寄生パラメータ抽出の実施時に SIwave Desktop からインスタンス化できます。

Icepak – Icepak ソルバーは ICパッケージやPCBが必要になったとき、SIwave Desktop からインスタンス化できます。SIwave-DCとIcepak間の自動化されたインタラクティブ収束ソリューションにより、ICパッケージとPCB用に双方向電子冷却ソリューションを提供します。

Nexxim – Nexxim 回路ソルバーは時間領域の SPICE解析がタイミング分析に必要になったとき、SIwave デスクトップからインスタンス化できます。

HSPICE – HSPICE 基板ソルバーは時間領域の SPICE 分析がタイミング分析に必要になったとき、SIwave Desktopからインスタンス化できます。

SIwave Desktop

ハイパフォーマンスコンピューティング

ANSYS Electronics HPCのライセンスを、SIwaveに追加することで、大規模で迅速かつ忠実性の高いシミュレーションの世界が開かれます。ANSYSは単純なハードウェアの高速化の範疇を大きく超えて、単一のマルチコアマシンに対して最適化され、クラスタの能力を完全に活用するためにスケーラブルな画期的数値ソルバーおよびHPC手法を提供する領域に到達しています。

マルチスレッド化
解析時間を短縮するために、単一のコンピュータで複数のコアを活用します。マルチスレッド化技術は、メッシュ生成の初期処理、ダイレクトおよび反復マトリクス解析、磁場回復を高速化します。

スペクトル分解法
電磁気シミュレーションの大部分は、広範な周波数にわたる近傍界、遠方界、Sパラメータデータなどの結果を必要とします。スペクトル分解法は、周波数掃引を加速させるために、並列計算コアで複数の周波数ソリューションを分布させます。この手法は、マルチスレッド化の並行処理に使用することが可能です。マルチスレッディングにより、個々の周波数ポイントの抽出が迅速化され、スペクトル分解により、多数の周波数ポイントが並列に実行されます。スペクトル分解法は多数のコアに対してスケーラブルであるため、計算の大幅な高速化が実現されます。

ハイパフォーマンスコンピューティング

IBISおよびIBIS-AMI SerDes分析

SIwave には、パラレルバスとSerDesバスの両方に対する回路ソリューションが含まれています。これにはANSYS NexximまたはHSPICE回路ソルバーエンジンを使用するIBISおよびIBIS-AMI送信機/受信機モデルによるシミュレーションが含まれています。実験計画法(DoE)の完全な回路図表現およびパラメータ設計も含まれています。


仮想コンプライアンス

SIwaveにより、DDR3/4バスがJEDEC規格に合格するかどうかを判定することができます。このソリューションでは、データ設定および保持タイミング、ディレーテッド解析、ビット間スキュータイミング、オーバーシュート、アンダーシュートなどの主なタイミング評価指標に対する合否判定条件が提供されます。プログラミング環境により、ほぼすべての規格( DDR、USB、PCIe、MIPI、CISPR EMCなど)についてのコンプアイアンスレポートのカスタマイズが可能です。

仮想コンプライアンス

自動化されたデカップリングコンデンサーの最適化

ディープサブミクロンテクノロジーの分野で作業している場合、設計者には設計コストを予算内でタイトスケジュールに合わせる課題が残されます。今日の大容量PCBおよびパッケージの最適化の大半は、さまざまなコンデンサーモデル、コンデンサー価格およびコンデンサーの個数に基づいているため、設計のシグナルインテグリティおよびパワーインテグリティ性能を犠牲にすることなく最適化を達成することが必要です。SIwave-PIでは、最小限のコストで、指定したインピーダンスマスクを満足するデカップリングコンデンサー配置の最適化されたセットを見つけ出すことが可能です。

自動化されたデカップリングコンデンサーの最適化

インピーダンスとクロストークスキャンニング

Zoおよびクロストークスキャナーにより、PCBおよびパッケージ内部のトレースに対する非常に正確な電磁界ソルバー特性インピーダンスおよび連成係数が提供されます。理解しやすい.htmlレポートと可視化によって、すべての設計エンジニアにとって必須のサインオフ機能です。

インピーダンスとクロストークスキャンニング

マルチドメインシステムのモデリング

Simplorerは、システムレベルのプロトタイプのモデリング、シミュレーション、および解析に対応する強力なプラットフォームで、ANSYS Maxwell、ANSYS HFSS、ANSYS SIwave、およびANSYS Q3D Extractorと統合されています。製品開発チームによるソフトウェア制御下のマルチドメインシステム設計性能の検証および最適化を可能にします。柔軟性に優れたモデリング機能と、ANSYS 3D物理シミュレーションとの緊密な統合によって、Simplorerはシステムレベルの物理モデルの組み立てとシミュレーションを広範にサポートし、コンセプト設計、詳細解析、システム検証間の相互関係を打ち立てることができます。Simplorerは、 電化システム設計、発電、電力変換、電力貯蔵および配電の用途、EMI/EMC調査および一般的なマルチドメインシステム最適化と検証に理想的です。

マルチドメインシステム

主要機能:

  • 回路シミュレーション
  • ブロック図シミュレーション
  • ステートマシンシミュレーション
  • VHDL-AMSシミュレーション
  • 統合グラフィカルモデリング環境
  • パワーエレクトロニクス機器とモジュールの特性評価
  • MathWorks Simulinkとの協調シミュレーション

モデルライブラリ:

  • アナログとパワーエレクトロニクスコンポーネント
  • コントロールブロックとセンサー
  • 機械コンポーネント
  • 油圧コンポーネント
  • デジタルとロジックブロック

用途固有のライブラリ:

  • 航空宇宙電気ネットワーク
  • 電気自動車
  • 電力システム
  • 特性化したメーカーコンポーネント
  • 次数低減モデリング

 


エレクトロマイグレーション解析

ANSYS SIwaveのこの新機能によって、オンチップと高度な電子パッケージ構造の平均故障間隔を予測できます。エレクトロマイグレーション - 電流に起因する導体金属原子のマイグレーション - は通常、ほとんどの電子システムにおいて問題にはなりません。ただし、高速電子システムでは、パフォーマンスの向上とフォームファクタの小型化がきわめて薄いトレースにおいて、エレクトロマイグレーションを引き起こす電流密度の上昇につながります。この現象は、高速電子製品の信頼性を脅かす大きな要因です。ANSYS SIwaveによって、設計のエレクトロマイグレーションと平均故障間隔を予測できるようになりました。


EMI Scanner

この機能により、PCBの自動的かつカスタマイズ可能なEMI設計ルールチェックを行うことができます。EMI Scannerを利用すると、シミュレーションに先立ち、PCB設計において干渉が発生する可能性のある領域を迅速に特定できます。EMIの問題は従来、シミュレーションが困難で、計算に何時間もかかりました。ANSYS SIwaveとANSYS HFSSに搭載されているこの新機能によって、さらなる調査が必要な潜在的トラブルスポットを迅速に特定できます。したがって、エラーを排除し、開発期間を短縮できます。