Skip to Main Content

      

Ansysブログ

April 8, 2019

車載用集積回路の電磁両立性を確保

自動車業界では、電動化のトレンドにより、多くの電子部品が自動車に搭載されるようになりましたが、2000年の時点では、自動車の生産コストの20%をエレクトロニクスが占めていました。現在では、その割合が30~35%まで上昇しています。こうした集積回路(IC)の一部は、車両の排出ガスの削減、衝突の回避、乗客の快適さの向上に役立ちます。ただし、これらのコンポーネントは、その機能に関係なく、電磁両立性(EMC)規制に準拠している必要があります。

静電放電(ESD)モデルを使用した電磁感受性(EMS)シミュレーション手法

静電放電(ESD)モデルを使用した電磁感受性(EMS)シミュレーション手法(パート1)。画像提供:2018年のDACで、神戸大学の永田真教授が発表したオンチップESD解析に対するEMS設計アプローチ)

EMCとは、電子部品が相互に与える干渉を指します。コンポーネントから生じる電磁干渉(EMI)をテストするには、電磁(EM)エミッションを調査する必要があります。EMエミッションに対するコンポーネントの防護性能をテストするには、EM感受性(EMS)を調べる必要があります。

このように考えたらどうでしょう。車載エンターテインメントシステムの電源を投入するたびに故障するような先進運転支援システム(ADAS)など、誰も望んではいません。

エンジニアは、物理的なプロトタイプを作製する前に、Ansys PathFinderで作成した拡張チップパワーモデルを使用して、自動車電子部品のEMエミッションと感受性を評価できるようになります。以下をモデル化できます。

  • オンチップ電源ネットワーク
  • シリコン基板寄生成分
  • 静電放電(ESD)デバイス
     

電磁両立性シミュレーションの設定方法

EMエミッションおよび感受性シミュレーションには、EMノイズのあらゆる結合経路を含める必要があります。

静電放電モデルを使用したEMSシミュレーション手法

静電放電(ESD)モデルを使用したEMSシミュレーション手法(パート2)。画像提供:2018年のDACで、神戸大学の永田真教授が発表したオンチップESD解析に対するEMS設計アプローチ)

シミュレーションには、EMノイズに寄与する、またはEMノイズの影響を受ける回路、コンデンサ、抵抗器、またはデバイスも含める必要があります。

PathFinderのシステムオンチップ(SoC)ESDモデルを使用することで、EMCシミュレーションに必要なすべてのコンポーネントを容易に組み込むことができます。チップモデルやチップ-パッケージ-基板の協調解析を使用することで、エンジニアは車載用ICの厳しいEMC要件を満たすことができ、そのICが搭載された製品の安全性とセキュリティを確保できます。

つまり、Ansysの拡張チップパワーモデルやチップ-パッケージ-基板の協調解析を使用することで、自動車のエンターテインメントユニットがADASやその他の電子部品の機能に干渉しないように設計できるようになります。

システムレベルのEMCシミュレーションで、Ansys Pathfinderのチップパワーモデルを活用する方法については、ウェビナー「チップの電力モデルを活用した車載用ICのシステムレベルEMCシミュレーション」をご覧ください。