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Synopsys and Ansys power the future of innovation—connecting silicon to systems.

材料特性評価とは

物理的デバイスに使用される材料を理解することは、製品開発における基礎となります。これは「材料特性評価」と呼ばれる、材料の物理特性、化学組成、微細構造を体系的に測定するプロセスです。 

材料を扱うエンジニアや科学者は、各種の分析手法および試験手順を用いて、設計上の判断を導き、正確なシミュレーションを促進し、フォレンジック調査を支援するための有用な情報を得ています。特性評価の手法は、2つのカテゴリに分けられます。1つ目は顕微鏡法で、さまざまな装置を用いて原子、分子、結晶の構造を観察します。2つ目はマクロスケールの試験で、材料のバルク特性を測定します。 

材料特性評価を実施するメリット

材料がどのように振る舞うかは、基本的には材料を構成する元素と、それらがマイクロスケールおよびマクロスケールでどのように配列されているかによって決まります。そして、その振る舞いは製品の性能とロバスト性を左右するため、きわめて重要です。材料の理想的な構成を示す規格は存在しますが、加工のばらつきや製造の影響によって、材料の性能を変化させる偏差が生じることがあります。材料特性評価は、こうした偏差を捉え、規格では定められていない詳細部分を決定するために用いられます。

材料科学におけるこの重要な分野がもたらす大きなメリットとして、以下のものがあります。

新材料のイノベーションを推進

研究者は、ポリマー中の結合、金属の結晶構造、あるいは新しい合金の透磁率を深く理解することで、材料合成のための新しい配合やプロセスにたどり着くことができます。 

材料選定をサポート

エンジニアは、コストがかかるプロトタイプを作製して試行錯誤を繰り返す代わりに、材料の特性を理解することで、最も過酷な用途であっても適切な材料を選定できるようになります。

シミュレーション用の特性を提供

仮想プロトタイプの精度は、モデルに与えられる入力の精度によって決まります。正確で詳細な材料特性を準備できれば、シミュレーションを幅広く活用して製品開発を推進し、製品性能への理解を深めることができます。 

故障や性能不足に関する知見を提供

製品が期待どおりの性能を発揮しなかったり、故障したりした場合は、その原因を理解する必要があります。材料特性評価を含むフォレンジック分析により、根本原因をよりよく理解して、必要な変更への道筋を示すことができます。また、故障が訴訟に発展した場合は、適切な材料特性評価がその結果を左右することもあります。 

適用範囲を定義

製品は、特定の仕様を満たすように設計されます。しかし、材料の構造や特性にばらつきがあると、製品の寿命が延びたり縮んだり、動作範囲が拡大したり縮小したりします。こうしたばらつきを把握し、シミュレーションや試験と組み合わせることで、許容できる動作範囲を決定できます。

材料特性評価の例

材料特性評価は、測定できる特性の幅広さと同じように、さまざまな分野や用途に適用できます。設備の整った材料特性評価施設では、半導体ウェハ上の薄膜層における原子の配列から、セラミックの表面硬度まで、あらゆるものを測定できます。

ただし、最も一般的な測定は、材料組成、微細構造、物理特性を中心に行われます。これら3つを組み合わせることで、エレクトロニクス信頼性が要求される分野における材料特性評価など、最大限の知見を得ることができます。

材料組成

材料の化学組成は、その性能を大きく左右する要因です。チタン合金にわずかなアルミニウム原子が加わるだけで、剛性や降伏強度が大きく変化します。開発または生産対象の合金の原子組成を適切な種類の分光計で測定することは、一般的に行われています。

分光法や回折手法を用いて、組成がどのような構造になっているかを把握することもできます。結晶内の各原子の配列や、ポリマーがどの程度の長さで架橋しているかといった測定は、材料のバルク挙動を捉えるために必要です。さまざまな種類の顕微鏡を造影剤とともに使用して、組成を明らかにすることもできます。

微細構造

材料の特性は、その微細構造によっても左右されます。金属では、結晶のトポロジーにより、多くの機械的特性や電気的特性が決まります。ミクロレベルにおけるもう1つの重要な材料特性が、結晶粒構造です。これは、さまざまな結晶の配列と、結晶間の境界のジオメトリを指します。結晶粒のサイズと構造は、疲労寿命と降伏強度を大きく左右する要因です。

微細構造を測定する最も一般的なツールが、光学顕微鏡と電子顕微鏡です。回折手法も、材料の内部を観察するのに役立ちます。通常、結果は画像として提示され、材料科学者が材料の内部構成を理解するのに役立ちます。

物理特性

材料科学者を除き、大半のエンジニアは、ジオメトリに依存しないバルクの機械的、熱的、電気的、および電磁界挙動を集約した物理特性を扱います。ヤング率、ポアソン比、密度、透磁率、熱伝導率、破壊靱性、表面粗さ、電気抵抗率といった値は、手作業による計算やシミュレーションで広く用いられています。

物理特性の試験は、応力ひずみ試験、熱電対、電気計測器、電磁界(EMF)プローブなど、一般的な機器を使用して実施されます。ほとんどの特性には規制機関が定めた標準試験があり、どの試験機関が試験を実施しても同じ結果が得られるようになっています。

エレクトロニクス信頼性のための材料特性評価

材料特性評価のわかりやすい例が、この分野をエレクトロニクス信頼性に応用したものです。これは、材料組成、微細構造、物理特性の測定を組み合わせて、フレキシブル回路上のIoTセンサーからマルチプロセッサマザーボードに至るまで、エレクトロニクスパッケージの開発を支える分野です。 

電子アセンブリは、数十から数百に及ぶさまざまな部品で構成され、それぞれ複数の材料が採用されています。製造時や稼働環境において、これらの部品は温度変化、衝撃、振動、曲げ、電磁界、湿気、そして場合によっては紫外線にさらされます。そして、これらすべての値を経時的に測定する必要があります。 

信頼性エンジニアリングサービスにおけるこの材料特性評価の分野では、電子部品と、それらの部品が実装されるフレキシブル基板やリジッドプリント基板の電気的、機械的、および信頼性の各特性を評価することで、システムの信頼性を把握し、向上させることを目的としています。 

ほとんどのサプライヤーはこの情報を提供しないため、この種の試験は通常、製品開発プロセスに計画的に組み込まれます。 

材料特性評価の手法

材料解析を州立大学で行うか、企業の材料特性評価ラボで行うかに関わらず、その目標は同じです。すなわち、試験装置を用いて材料の物理特性、組成、または内部ジオメトリを測定することです。

以下の表に、最も一般的な特性評価プロセスと、それぞれが捉える対象をまとめます。

テクノロジープロセス特性
顕微鏡光学顕微鏡法構造、表面トポロジー、製造欠陥
 原子間力顕微鏡法表面トポロジー
 電界イオン顕微鏡法原子構造
 走査型電子顕微鏡法表面トポロジー、組成
 走査型プローブ顕微鏡法表面トポロジー、組成
 走査型トンネル顕微鏡法原子表面構造
 透過型電子顕微鏡法トポロジー、組成
 X線回折トポグラフィー結晶構造
分光法質量分析法結晶構造、組成
 核分光法結晶構造、組成
 光放射分光法結晶構造、組成
 X線回折結晶構造、組成
材料試験加速寿命試験信頼性
 誘電熱解析/誘電解析誘電特性
 示差熱分析化学変換温度
 デジタル画像相関法機械的特性
 電磁界試験電磁特性
 衝撃励起法機械的特性
 機械強度試験機械的特性
 熱重量分析化学変換温度
 超音波機械的特性、内部構造

材料特性評価における課題

材料特性評価は、学術分野や産業界で日々活用されている確立された材料科学の一分野ですが、その効果的な活用にはいくつかの重大な課題が残っています。こうした課題の多くは、原子スケールやマイクロスケールでの測定に用いられる高度な物理と高感度な装置に関係します。材料特性のマクロスケールでの測定も、正しく実施しないと困難になったり、コストがかさんだりします。

以下に、最も一般的な7つの課題を挙げます。

1.設備投資コスト

装置やセンサーが複雑なため、材料特性評価に必要な機器の多くは高価なものです。さらに、クリーンルーム、高純度ガス、真空ポンプなどの必要なインフラも、試験を実施する前の段階から初期コストが膨らむ一因となります。こうした状況で、パートナー企業や大学のリソースを活用できれば、設備投資を抑えることができます。

2.必要な情報と特性評価手法の対応付け

新しい材料を開発する場合でも、破損した部品のフォレンジック分析を実行する場合でも、有用な情報が得られる特性評価手法を特定することは共通の課題です。適切な解析方針を立てる際には、専門家に相談し、材料、製品、品質保証を担当する各チームとの連携が必要です。

3.材料のばらつき

ほとんどの材料製造プロセスでは、測定対象となる特性に、ある程度のばらつきが生じます。そのため、解析ごとに大きなサンプルサイズが必要になり、コストとリードタイムが増加します。ばらつきを事前に理解し、優れた統計的手法と組み合わせることで、サンプルサイズを最小限に抑えることができます。

4.結果の解釈

ほとんどの材料特性評価では、得られる出力は単純な数値ではありません。多くの場合、統計解析と整理を必要とするデータセットとなります。あるいは、顕微鏡法の多くは、専門家による解釈を必要とする多数の画像を生成します。どちらの場合も、専門家が時間をかけて結果を評価し、解釈する必要があります。しかも、その結果を有用な情報に変換できる専門家が求められます。

5.各手法の限られた適用範囲

材料特性評価にこれほど多くの技術が存在する理由の1つは、ほとんどの技術の適用範囲が非常に狭いという現実にあります。ナノ材料や薄い試料にしか使えないものもあれば、特定の周波数範囲の電磁界しか測定できないものもあります。つまり、材料の特性を完全に評価するには、複数の技術を組み合わせて使用する必要があります。この課題の影響を最小限に抑える最善の方法は、必要な解析に優先順位を付け、絶対に必要な評価のみに限定することです。

6.長いリードタイム

多くの技術では、時間のかかる試料の準備、長時間に及ぶ試験プロセス、専門家による解釈が必要です。これに、特定の装置での処理待ちが重なると、数週間、場合によっては数か月に及ぶ長いリードタイムが生じます。適切なスケジュール設定とリソース管理により、工程への影響を軽減できます。

7.材料特性の分類、保存、検索、および転送

材料特性評価技術により、膨大な量のデータが生成されます。このデータは、適切に分類し、アクセスしやすい場所に保存して、必要なときに素早く検索でき、必要に応じて他のユーザーに転送できるようにする必要があります。マテリアルインテリジェンスを管理するには、適切な一連の手順と包括的な材料データ管理システムの整備が必要です。

材料特性評価のソリューションとサービス

研究、選定、または生産対象となる材料への理解は、当たり前のものと見なされがちです。これは特に、サプライヤーから調達する部品の材料情報に当てはまります。この重要な情報を十分な時間をかけて特定、収集、および活用することは、製品開発とライフサイクル管理プロセスに組み入れるべきです。

材料特性評価に適切なソリューションとサービスを提供することで、企業や研究機関は大きな競争優位性を得られます。重要であるとはいえ、包括的な能力を組織内で構築および維持することが現実的でない状況もあるでしょう。だからこそ、材料特性評価のソリューションとサービスに適したパートナーを見つけることが不可欠です。

Ansysは、信頼性エンジニアリングサービスの一環として世界クラスの材料特性評価を提供しています。この経験豊富なチームは、電気的特性、機械的特性、および信頼性の評価を提供しています。シミュレーションの世界的リーダーであるAnsysは、シミュレーション主導型の製品開発や故障解析プロセスを推進するために適切な情報を取得する方法を熟知しています。

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