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今日のモデルには、ドキュメント、スプレッドシート、スクリプトに加え、シミュレーションやシステムアーキテクチャなど、さまざまな要素が含まれています。これらのモデルは、製品のライフサイクル全体(構想段階から廃棄に至るまで)で生じる課題に対応するため、相互に連携したシステムとして表現し、一体的に活用する必要があります。
モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)とは何でしょうか。なぜ、多くの人がMBSEを使用して製品を開発することに関心を寄せているのでしょうか。また、MBSEはどのように実現し、効果的に利用できるのでしょうか。デジタルツインシミュレーションプラットフォームである、Ansys Twin Builderはこのような問いに答え、次数低減モデリング(ROM)によりMBSEの有効化と高速化を実現します。
MBSEは、ドキュメントの代わりに、モデルを使用してシステムを設計する手法です。今日のほとんどのモデルはデジタルツールで表現できますが、個別のモデルを1つにまとめて接続し、効果的に使用することは簡単ではありません。複数のモデルを統合できれば、エンジニアはシステムに関するさまざまな問いへの回答を得られるようになります。予算に合っているか。この環境でプロジェクトは機能するのか。このボルトは破損する可能性があるのか。単一のシステム表現として統合されているため、通常は含まれない他のモデルも考慮され、問いの範囲に応じて、より全体的・包括的な回答を得ることができます。
デジタルモデルは、システムを構成するすべての分野で使用されています。エンジニアは、システムの進化に合わせてモデルが進化するよう相互に接続し、システムが要件を満たしていることを保証するとともに、モデルへの信頼性を高めています。MBSEを実現するために、各分野の専門家が日常業務で使用するデジタルツールを調査できます。
Ansys ModelCenterのモデルベースのシステムズエンジニアリングソフトウェアでサポートされるモデルには、解析、シミュレーション、スクリプト、スプレッドシート、単一または複数のツールチェーンが含まれる(右)。左はAnsys System Architecture Modeler(SAM)の機能。
システムアーキテクチャモデルはシステムエンジニアが作成し、構造、挙動、要件など、設計しているシステムを記述します。システムアーキテクチャモデルは、設計しているシステムを記述しますが、実行可能ではありません。設計したシステムが要件を満たしていることを確認するには、システムアーキテクチャモデルをエンジニアリング解析に接続する必要があります。この接続は、Ansys モデルベースのシステムズエンジニアリングである、ModelCenterを活用することで可能となり、システムアーキテクチャとエンジニアリング解析モデル間の橋渡しをします。
この接続はMBSEプロセスに不可欠です。要件検証を可能にするだけでなく、実験計画法、最適化、パラメータ調査などのトレードスタディを実行するために使用できます。ModelCenterは、期待を超える機能とソリューションを備えています。
一例として、Ansysはお客様と一緒に有効なモデルを作成しました。プロジェクトの主な目標は、システムアーキテクチャモデルをAnsysの物理ソルバーを含む既存の物理モデルと統合し、設計されたシステムが性能要件を満たすことを検証することでした。
これらの目標を念頭に、ElectronicsからThermalおよびMechanicalソルバーまで、幅広い領域のソルバーを含む多様なエンジニアリング解析ツールを活用しました。プロジェクトチームは、これらのツールをModelCenterに統合して、接続されたワークフローを作成しました。次に、ModelCenterのAnsys System Architecture Modeler (SAM)によって、構造、挙動、要件を記述したシステムのモデルを作成します。そして、Twin BuilderのROMを含むModelCenterワークフローをSAMに接続して、設計が要件を満たすことを確認しました。
ModelCenterのSAMを使用した要件検証
このソリューションの利点は、ModelCenterとTwin Builderプラットフォームのベンダーに依存しない統合手法です。このアプローチにより、ユーザーはAnsysの製品ポートフォリオに含まれるツールだけでなく、あらゆるエンジニアリング解析ツールを使用してシステム要件を検証できます。
最後に、Twin Builderに関連した利点を説明します。場合によって、システム要件が変更されたり、何らかの理由で要件を満たさないことがあります。その場合、設計代替案を迅速に見つける必要があります。完全な物理ソルバーを繰り返し実行する必要がある場合、設計代替案を見つける反復プロセスは非常に時間がかかるものになるでしょう。解決方法として、Twin Builderで作成された高速ROMなら、50~100倍の時間を節約できます。
まず、システムアーキテクチャモデルについて取り上げます。これはModelCenterのSAMで作成しましたが、他のベンダーのツールも同じ目的で使用できます。
システムアーキテクチャモデルは、通常、システムエンジニアが選択したツール内で作成します。これには、構造、挙動、システム要件を含む設計するシステムの詳細なアーキテクチャモデルが含まれます。システムエンジニアは、このモデルをシステムアーキテクチャの「信頼できる情報源」と呼ぶことがよくあります。電気、熱、および構造エンジニアリングの問題に対応する分野固有のエンジニアリングモデルを作成するために、活用されたシミュレーションとモデルは、エレクトロニクス冷却シミュレーションソフトウェアのAnsys IcePack(エレクトロニクス用)、流体シミュレーションソフトウェアのAnsys Fluent流体(熱用)、有限要素法解析(FEA)ソフトウェアのAnsys Mechanical(構造用)によるものでした。これらのツールによるデータのポストプロセスを実行するために、他のスクリプトも使用しました。Ansysは、これらのモデルをModelCenterと自動化して統合し、ModelCenter故障シミュレーションワークフローと呼ばれるワークフローを作成しました。
プロジェクトのこの時点までは、Ansysのソルバーを使用してワークフローを構築しました。ワークフローの各コンポーネントの実行にかかる時間は、設定によっては4時間以上になることもあります。設計を改善するためにパラメトリックスタディや最適化を実行する場合、これは問題になります。設計空間を完全に探索するには、解析時間が1,600時間もかかりますが、これではプロジェクトの期限に間に合いません。
ModelCenter故障シミュレーションワークフローの次数低減モデル(ROM)
この時間の問題を解決するために、Ansysは多分野におけるModelCenterワークフローを強化し、より迅速に実行できるようにしました。Twin Builderを使用して、この長時間を要するシミュレーションコンポーネントのROMを作成します。このワークフローにFluent ROMとMechanical ROMを追加し、IF文を含めて、シミュレーション全体と付属のROMを切り替えられるようにしました。この変更により、時間を少なくとも100分の1に短縮できました。解析時間は1,600時間から16時間になり、管理がはるかに容易になります。
正確な結果を得るには、非定常入力を取得し、応答の動的展開を予測できるROMを作成する必要があります。これには、動的ROMが必要です。動的ROMは、スカラー出力とフィールド出力の両方を持つ非定常非線形問題に合わせてカスタマイズされています。この場合、出力はスカラー量です。動的ROMを作成するには、入出力が時間に伴って変化する必要があります。ROM Builderは、入力と出力の関係を特定し、ROMを作成します。
動的ROMを使用することで、時間を大幅に節約できました。この場合、FEAシミュレーションは完了するまでに12時間かかりましたが、動的ROMの評価は同じイベントを約2秒でシミュレーションしました。ROMを活用した予測は、はるかに高速であるだけでなく、非常に正確であり、FEAシミュレーションとの誤差は5%以内でした。このように、ROMと動的ROMは、パラメトリックスタディとトレードスタディを実行するための価値あるツールです。
選択したシナリオの高忠実度モデルとROMの励起および比較
ModelCenterで動的ROMを使用するには、少なくとも2つの方法があります。1つ目は、ModelCenterのFMIプラグインを使用する手法です。まず、モデルを機能モックアップ(FMU)に変換する必要があります。現在、この手法は内部クロックを持たない静的なFMUおよびモデルでのみ機能し、応答曲面と静的ROMの場合に適切に機能します。ただし、時間を必要とする動的ROMおよびFMUはこの手法ではサポートされません。2つ目は、ModelCenterでPyAEDTを使用して統合する手法です。この手法では、ModelCenterでPythonスクリプトを実行します。このスクリプトは、動的ROMを含むTwin Builderモデルを要求します。そしてROMを実行し、結果をModelCenterに渡します。
この統合の最初のステップは、ModelCenterおよびTwin Builderプロジェクトの準備です。第2のステップは、PyAEDTスクリプトの作成です。このスクリプトは、データを呼び出し、Twin Builderに読み込み、ROMをシミュレーションし、解析結果を生成します。解析結果をModelCenterに渡し、ワークフローの他の部分の結果と組み合わせて、トレードスタディを実行できます。
このプロジェクトでは、ModelCenterによりSAMがModelCenterワークフローに接続されるため、実行している解析ツールチェーンによって要件が検証されていることを確認できます。この例では、最初の要件検証はシステムエンジニアによって実行されました。システムアーキテクチャツールで直接ModelCenterを起動して、要件検証を実行できます。このケースでは、すべての要件が満たされたわけではありませんでした。
ModelCenterのもう1つの機能は、組込みのトレード分析ツールを活用して設計代替案を見つけることです。ModelCenterのMBSE機能とツールチェーンのワークフローモデルを使用し、トレード分析ツールを使用して実行できます。Twin BuilderのROMを含むワークフローを使用して、パラメトリックスタディとトレードスタディを実行した後、設計代替案を少数のサンプルに絞り込みました。この設計サンプルを使用してAnsysでさらに解析を実行し、主に最適化と確率論的解析によりモデルのロバスト性を調査しました。プロジェクトチームは、元の3D物理モデルを使用してROMと比較し、すべての代替案を要件に対して検証することができました。このように、不完全な設計から始め、実験計画法を設定して設計領域全体を調査し、選択する代替案を絞り込んで、すべてのシステム要件を満たす、よりパフォーマンスの高い最適化された設計を見つけることができました。
ここまで、Ansysのさまざまなツールを使用して、システムアーキテクチャモデル、3D物理モデル、ROMなど、異なるタイプのモデルを作成しました。その後、ModelCenterを使用して、これらのモデルとツールを自動化して接続しました。さらに、Twin Builderプラットフォームを介して、Ansysの一部の物理ソルバー用に高速ROMを作成して解析時間を短縮し、トレードスタディに使用しました。これらの接続されたモデルを使用することで、プロジェクトチームは迅速・簡単にシステム要件を検証し、パフォーマンス指標を計算し、設計代替案を特定することができました。
無料トライアルをリクエストするには、Twin BuilderプラットフォームのWebページをご覧ください。ModelCenterおよびその他のMBSEソリューションの詳細については、こちらからご確認ください。最後になりましたが、ぜひ、SAMの詳細をご覧ください。
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