ANSYS Icepakの機能

包括的なマルチフィジックス設計フロー

ANSYS Electronics Desktopプラットフォームにより、エンジニアは、IcepakをHFSS、Q3D Extractor、Maxwellとダイナミックにリンクさせて、電熱ソリューションを得ることができます。マウスをクリックするような簡単さでEMツールの電力損失を設計にマッピングし、熱シミュレーションを行うことができます。また、SiwaveのパワーインテグリティシミュレーションをIcepak熱シミュレーションと連携させることもできます。

温度依存アンテナ性能評価における熱的結合による電磁損失(Icepak & HFSS)
アンテナ対応5Gインフラ、自動車レーダー、IoT機器、モバイル電子機器において熱安定性を確実なものとすることは、期待された動作特性を得る上で、必須です。電力を消費するビデオ通話、オンラインゲームや様々に変化する環境条件などによって、デバイスの温度が大きく変動します。電話のバッテリーが熱くなると、放電が増え、安全性の問題も生じます。温度上昇はさらに電話内の他の電子部品にも影響を与え、RFアンテナ性能へも影響を及ぼします。電話通信事業者、Bluetooth、Wi-Fiとの接続が切れるのも熱の問題に起因しています。ANSYSツールを使用して設計のシミュレーションを行うことで、これらの問題をハードウェアの構築前に予測することができます。たとえば、電気技術者は、Electronics DesktopでANSYS HFSSとANSYS Icepakをダイナミックにリンクさせることでアンテナの温度のシミュレーションを行うことができます。電磁界ソリューションおよび熱的結合ソリューションに基づいて、アンテナの設計を変え、アンテナ効率、製品の総合的な熱性能およびEM性能を予測することができます。これらのEMおよび熱シミュレーションでワイヤレス通信を改善し、信号のカバー範囲を向上させ、アンテナをベースにしたシステムの接続性を維持します。

ボードレベルの電熱結合(IcepakとSIwave)
周囲の温度上昇さえも電子部品の性能や信頼性に影響を及ぼし、システム全体への問題につながります。SiwaveのボードレベルのパワーインテグリティシミュレーションをIcepakの熱シミュレーションと組み合わせることによって、PCBの電熱性能を総合的に判断することができます。SiwaveとIcepakは、自動でDC電力と温度データを交換することで、PCB内とパッケージのジュール熱損失を計算し、極めて正確な温度場と抵抗損失分布を得ることができます。これらのDC電熱ソリューションにより、自身が設計したものによって生じる熱を管理することができ、チップ、パッケージおよびボードの熱性能および安全な動作温度を予測することができます。

包括的なマルチフィジックス設計フロー
包括的なマルチフィジックス設計フロー

熱物理学のための広範囲なライブラリ

Icepakのライブラリには、表面、固体および流体に割り当てることができる広範囲にわたる有用な材料が豊富に収納されています。Icepakは、MCAD & ECAD設計をインポートすることで、CADを多用する最新型の電熱マルチフィジックスソリューションを用意しています。自動化されたCAD形状クリーンアップおよびヒーリング機能に加えて多くの編集オプションにより、シミュレーションの設定および解析を簡単、迅速に実行できます。豊富な数量を持つIcepak 3-Dファンとヒートシンクを含む膨大な商用ライブラリを設計担当者は自由に使用可能で、典型的な熱の問題を解決することができます。

Icepak機能 Icepakライブラリ

便利なスライダーバーメッシング

ANSYS Icepakは、メッシュを自動生成するとともに、メッシュパラメータをカスタマイズして、メッシュを細かくしたり、計算コストと結果の精度のトレードオフを最適化します。スライダーバーの設定値を対象物の温度と勾配が急なところはメッシュを細かく、勾配がゆるやかなところは、メッシュを粗く設定することができます。これらの機能により、熱解析を行う上で適切なメッシュ生成を容易にします。さらに任意の「メッシュ領域」によって、ECADとMCADのデータを集め、熱ソリューションを提供することで全体的な製品設計を行います。

柔軟かつ自動化されたボディフィットメッシュの生成

Icepakでの最適化

Icepakは、ANSYS Optimetricsを使用して、形状、素材、および電力損失に対するネイティブパラメータによるwhat-if解析および実験計画(DoE)解析を行います。たとえば、PCBビアのビアドリルサイズ、パッドサイズや入力電流を変えるとどのような電熱影響が出るかを簡単に計算することができます。変圧器やコイルへの渦電流の影響をMaxwellとIcepakの電熱解析で簡単に調べることが可能で、非常に使いやすく、直感的なGUI環境で最大の精度が得られます。

機能 Icepakでの最適化

結果の可視化

ANSYS Icepakソフトウェアには、同僚や顧客にシミュレーション結果を容易に伝えられる有意義なグラフ、ならびにアニメーションおよびレポートを生成するための、定性的および定量的ポスト処理ツールの完全な一式が含まれています。速度ベクトル、温度分布、粒子トレース、等値面、断面および結果のx-yプロットは、電子機器冷却シミュレーションの結果を解釈する上ですべて利用できます。結果データの配布、シミュレーションの傾向の把握、ファンおよびブロワー動作点のレポートのために、画像を含むカスタマイズしたレポートを自動作成することもできます。ANSYS Icepakには、高度なポスト処理用のANSYS CFD-Postと各種アニメーションツールが含まれています。

簡単で直感的なインターフェース
Icepakのリボンベースのインターフェースで豊かでユーザーフレンドリーな体感が得られます。Electronics Desktop内のANSYS Icepakは、Iron Pythonスクリプティングに対応しており、自動記録および再生を行います。ネイティブJava、VBおよびIron Pythonスクリプティング機能があります。Icepakのスクリプト機能およびジャーナル機能は、日々の解析および設計における長い、日常レベルのタスクを自動化する上で非常に便利です。

結果の可視化

ECAD-MCADのインポート

モデル開発を高速化するために、ANSYS Icepakは、様々なソースから電気系 CAD(ECAD)と機械系 CAD(MCAD)データの両方をインポートします。Icepak は、Altium Designer、Cadence®、Zuken®、Sigrity®、Synopsys®、ODB++、IPC2581、Mentor Graphics® を含む、EDAソフトウェアを使用して構築されたファイルに直接対応します。ANSYS Icepakは、STEPとIGESファイルを含む、中間ファイル形式からの機械系CADデータのインポートに直接対応します。ANSYS SpaceClaim は、IcepakがANSYS Workbenchの形状インターフェースを通して、あらゆる主要な機械CADパッケージをインポートすることを可能にします。ECADとMCADからインポートされた形状は、電子アセンブリーモデルを効率的に構築するために、スマートオブジェクトに統合することができます。

ECAD-MCADのインポート

マルチドメインシステムのモデリング

Simplorerは、システムレベルのプロトタイプのモデリング、シミュレーション、および解析に対応する強力なプラットフォームで、ANSYS Maxwell、ANSYS HFSS、ANSYS SIwave、およびANSYS Q3D Extractorと統合されています。製品開発チームによるソフトウェア制御下のマルチドメインシステム設計性能の検証および最適化を可能にします。柔軟性に優れたモデリング機能と、ANSYS 3D物理シミュレーションとの緊密な統合によって、Simplorerはシステムレベルの物理モデルの組み立てとシミュレーションを広範にサポートし、コンセプト設計、詳細解析、システム検証間の相互関係を打ち立てることができます。Simplorerは、 電化システム設計、発電、電力変換、電力貯蔵および配電の用途、EMI/EMC調査および一般的なマルチドメインシステム最適化と検証に理想的です。

マルチドメインシステム

主要機能:

  • 回路シミュレーション
  • ブロック図シミュレーション
  • ステートマシンシミュレーション
  • VHDL-AMSシミュレーション
  • 統合グラフィカルモデリング環境
  • パワーエレクトロニクス機器とモジュールの特性評価
  • MathWorks Simulinkとのコシミュレーション

モデルライブラリ:

  • アナログとパワーエレクトロニクスコンポーネント
  • コントロールブロックとセンサー
  • 機械コンポーネント
  • 油圧コンポーネント
  • デジタルとロジックブロック

用途固有のライブラリ:

  • 航空宇宙電気ネットワーク
  • 電気自動車
  • 電力システム
  • 特性化したメーカーコンポーネント
  • 次数低減モデリング