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PyAnsysを活用してマルチフィジックスシミュレーションワークフローを自動化すると、何が起こるでしょうか。Kai Schneider氏にとって、その成果は、より短時間でより高い出力密度と効率を実現できる、より高品質な電動モータ設計の創出でした。それと同時に、顧客のハイブリッド電気自動車(HEV)への取り組みを支援するための専門知識を蓄積する機会も得られました。
Kai Schneider氏は次のように述べています。「当社では、ワークフローを自動化して以来、冷却システムで実現できること、そして変更すべき点についての知識が広がりました。私たちは、シミュレーションをさまざまな形で適用して、新しいアイデアを見つけ、将来的に協力してあらゆるスケールのモデルで何ができるのかを探る方法について、他のプロジェクトにも応用できる新たな知見を短期間で得ることができました。これは、車両システム全体に対する私たちの見方を大きく変えることになるでしょう。」
Schneider氏は、WITTENSTEIN社の子会社であるWITTENSTEIN cyber motor社で開発エンジニアとして働いています。同社は主に産業用、特殊用途、自動車用途向けの技術的に高度なサーボモータとドライブエレクトロニクス、ならびに完全なメカトロニクスドライブシステムの設計、製造、販売を行っています。
Schneider氏のチームは、Ansys ApexチャネルパートナーであるCADFEM Germany社のソリューションアーキテクト、Daniel Soukup氏の支援を受けて、設計解析の自動化と迅速化を実現したことで、顧客からの新しい電動モータ技術に関する要望に素早く対応できるようになりました。Soukup氏とCADFEM社のチームは、WITTENSTEIN社がモータ設計を実装するために必要なAnsysのソフトウェア、トレーニング、サポートを提供しています。
Soukup氏は次のように語っています。「こうした顧客固有の開発には出発点が必要です。そこでは、ある程度の専門知識と開発能力が求められます。CADFEM社とシミュレーションは、まさにこうした局面でAnsysの顧客に特に大きな価値をもたらします。」
自動化されたPyFluentセットアップにより生成されたメッシュ(資料提供:CADFEM社)
WITTENSTEIN社が販売している既製の電動モータソリューションは、個々の顧客の要求に応じてカスタマイズされることがよくあります。同社は、特に自動車分野で最高の性能を実現する冷却コンセプトの設計を通じて、モータの出力密度の向上に取り組んでいます。
Schneider氏は、これを達成するには、過熱と連続出力の境界線上でモータを開発する必要があると語ります。設置スペースは非常に限られていることが多いため、利用可能な設置スペースを最大限に活用できるよう、冷却システムを最適化しなければなりません。
同氏は次のように述べています。「特に自動車分野では、温度と電力供給の間でこうしたバランスを見つけるのは容易ではありません。冷却液自体が高温で、圧力損失の低減が求められているうえ、設置スペースも限られています。所定の開発スケジュール内で、これらのしきい値を計算できるシステムやプログラムが必要です。」
しかし、WITTENSTEIN社はモータのプロトタイプを製造し試験する前に、冷却コンセプトが適切か、あるいは既存の類似の冷却システムの改良が必要かを明確にしなければなりません。
ヒートシンク上の温度分布のシミュレーション結果とAI予測の比較(資料提供:CADFEM社)
シミュレーションがもたらす直接的な利点の1つは、最適で高性能なモータ冷却設計をより迅速に実現できることです。WITTENSTEIN社とCADFEM社は、シミュレーションループを実行して特定の設計を解析し、改善が必要かどうかを判断するために、Ansysのツールを日常的に使用しています。
当初、冷却システムをより効率的に開発するために、超高速グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)ソルバー、優れたジオメトリモデリング機能、体系的なパラメトリック設計研究を組み合わせたところ、電動モータ冷却設計の開発が加速しました。
設計最適化は、以下のAnsysシミュレーションツールおよびソルバーを使用することで、より迅速に実現しています。
これらのツールは、設定が容易で、わずかな調整でさまざまな領域や用途に適用できるCADFEM社の自動化シミュレーションワークフローの基盤となっています。このワークフローをローカルのデスクトップ上で開発した後、クラウド上の仮想マシンを活用して多数のシミュレーションを同時に実行することで、スケーラビリティを容易に実現できます。
Schneider氏は次のように語っています。 「これまで、このプロセスにはかなりの時間がかかることがありました。特に、いくつかの修正を加えてから新たなシミュレーションを実行しなければならない手作業による反復作業を行う場合はなおさらです。もちろん、こうした作業は設計の改良に不可欠です。しかし同時に、顧客が求める納期に間に合わなくなるリスクも伴います。私たちは、市場投入までの時間に強く制約されているのです。」
当初、超高速GPUソルバー、優れたジオメトリモデリング機能、体系的なパラメトリック設計研究を組み合わせたところ、電動モータ冷却設計の開発が大幅に加速しました。
シミュレーションを活用することで、流体温度を10%低減させると同時に、電気自動車モータの冷却システムの圧力損失を約半分に低減することもできました。
生成され、シミュレーションされたさまざまな冷却設計(資料提供:CADFEM社)
前述のWITTENSTEIN社の既存ワークフローにPyAnsysが導入されたことで、Ansysのソフトウェアにアクセスできる優れた新機能が追加され、高度なシミュレーションワークフローの開発と自動化が効率化されました。CADFEM社はPyFluentとAnsys optiSLangを活用することで、モータ冷却解析に必要なAIデータ生成の自動化に成功し、大幅なスピードアップを実現することができました。
WITTENSTEIN社は、完全なシミュレーションを行うことなく新しい形状の挙動を予測できるAIモデルを開発の初期段階で活用する方法を把握したいと考えていました。
具体的には、Ansys optiSLangを使用し、Ansys Discoveryで作成したパラメータ化形状と、自動化されたAnsys PyFluentセットアップを組み合わせました。これにより、新しいバリアントの生成とシミュレーション、さらにはそれらの結果を、AIにデータを提示するための結果フォーマットにエクスポートする作業が非常に簡単かつ迅速に行えるようになりました。このワークフローはパラメータによって制御できたため、CADFEM社は、データポイントが少なく、最初のAIベンチマークとしてはばらつきが大きすぎる利用可能な実データに依存することなく、多くのバリアントを生成することができました。
Soukup氏は次のように述べています。「PyAnsysは完全にPythonで構築されており、バリアントの作成に必要なシンプルさを提供します。これにより、信頼性の高いロバストな自動化ワークフローが実現します。Fluentセットアップによってジオメトリ生成を自動化したことで、後々AIモデル内で使用するデータをエクスポートすることもできます。私たちは、ワークフローテンプレートを手に入れ、最終的に設計能力を一層向上させることができました。」
Schneider氏にとって、Ansysのツールによるワークフローの自動化で得られる最大の利点の1つはスピードでした。これにより、WITTENSTEIN社は、顧客の要望にほぼリアルタイムで迅速に対応できるようになりました。
Schneider氏は次のように語っています。「私の立場から見ると、非常に多くの設計案をシミュレーションすることができました。特に、冷却液がモータ内をどのように流れているかに焦点を当てたことで、現在では性能評価の基準として参照できる設計が70以上あります。ワークフロー全体を自動化した後は、パラメータを変えながら、短期間で非常に多くの設計をシミュレーションすることができたのです。これには本当に驚きました。」
WITTENSTEIN社とCADFEM社は、電動モータ技術を最適化するために、長年にわたり協力関係を築き、成功を収めてきました。
詳細については、ケーススタディ「WITTENSTEIN社、電動モータ冷却コンセプトの設計で新境地を開拓」をダウンロードしてご覧ください。
シミュレーションの境界条件を簡単に変更できるようにするためにパラメータ化されたPyFluentスクリプト(資料提供:CADFEM社)
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