Ansysは次世代の技術者を支援します
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55年もの間、アースデー(Earth Day)は、持続可能な未来に向けて世界を一つにするために、世界中で祝われてきました。今年は、192ヵ国の10億人のサポーターが、2030年までに世界のクリーン電力の発電量を3倍に増やすことを目指し、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいます。2025年のアースデーのテーマである「Our Power, Our Planet(私たちの力、私たちの惑星)」は、世界をより良い方向に変える人類の力を表すものです。
米国では、2023年の半年間で再生可能エネルギー源を使用して電力の25%を生成しており、一部の調査では、10年以内に米国のエネルギー需要の90%を再生可能エネルギーが占める可能性があると予測されています。多くの企業では、エネルギー効率の最適化に取り組み、再生可能エネルギーに加えて、水素などのより持続可能な燃料源や、全体的な電力消費量を削減する方法も模索しています。
クリーンで手頃な価格の持続可能な電力で世界のエネルギー需要を満たす技術はすでに存在しており、Ansysはシミュレーションを通じて、その取り組みを支援しています。この報告書は、シミュレーションがすでに持続可能性の推進に大きく貢献しているものの、その潜在能力はまだまだ大きいことを明らかにしています。(調査を実施してくださったMcKinsey & Company社に感謝の意を表します。)
より効率的で正確、しかも費用対効果の高い手法を用いて製品やプロセスを開発および最適化する必要があるというニーズを受けて、エンジニアリングシミュレーションは数十年にわたり、産業の変革を牽引してきました。組織は、シミュレーションを利用することで、技術概念の実現可能性とパフォーマンスを、さまざまなwhat-ifシナリオで、実験室ベースのテストよりもはるかに速く、低コストで評価することができます。これにより、最も有望なソリューションを特定し、設計を正確かつ詳細に表現することで、効率、信頼性、ロバスト性を最適化するとともに、環境への影響を最小限に抑えることができます。これは、炭素排出量、材料、エネルギー、水消費量のほか、廃棄物の発生量を削減するのに役立ちます。
ソリューションの環境フットプリントを評価するには、ライフサイクル全体にわたる環境への影響を評価する必要があります。最も一般的な環境持続可能性指標には、以下のものがあります。
シミュレーションは、製品構想および開発から現場での運用、最終的には製品寿命に至るまで、ライフサイクル全体にわたって、これらの指標の改善を目指す持続可能性への取り組みで重要な役割を果たします。シミュレーションを利用すれば、持続可能性のフットプリントを直接改善できるだけでなく、持続可能性への取り組みをより迅速に実施して達成することで、早期に成果を上げることもできます。
エンジニアリングシミュレーションが持続可能性に貢献する事例
シミュレーションの力を活用して持続可能性に取り組む組織は、以下の4つのステップで構成される、明確な手法に従うことができます。
エネルギー効率の高いソリューションの世界的リーダーであるDanfoss Drives社は、革新的な技術を通じて持続可能性の推進と炭素排出量の削減に取り組んでいます。Danfoss Drives社の制御プラットフォームは、製造からエネルギー生産まで、さまざまな業界で広く使用されており、その技術はポンプシステムやHVAC(暖房・換気・空調)用途などの分野で中心的な役割を担っています。
Danfoss Drives社の新世代ドライブiC7-Automationは、従来のVLT®AutomationDriveに比べて、環境に関するさまざまな側面で改善が図られています。Danfoss Drives社は、iC7-Automationモジュラー制御プラットフォームを開発するにあたり、高精度なマルチフィジックスシミュレーションとインタラクティブなジオメトリモデリングを1つの使いやすいツールに組み合わせたAnsysのシミュレーションツールを使用しました。これにより、同社は設計プロセスの初期段階で重要な知見を得て、実機試験とプロトタイピングを最小限に抑えることで、時間、エネルギー、コストを節約しながら、材料の無駄を省くことができました。
Danfoss Drives社のiiC7-Automationモジュラー制御プラットフォームと関連する構成要素
Danfoss Drives社は、新型のiC7-Automationモジュラー制御プラットフォームの運用段階での1ユニット当たり二酸化炭素換算量(CO2e)を最大1,927kg削減しました。 そのうち約50%(1ユニット当たり約959kgのCO2eの影響に相当)はシミュレーションによるものです。新しい制御プラットフォームに完全に移行すれば、数百万トンものCO2eを節約でき、その半分はシミュレーションによってもたらされる可能性があります。これは、総排出量の最大10~13%に相当すると考えられます。
シミュレーションの活用は、組織の持続可能性への取り組みに大きな影響を与えることでしょう。持続可能性におけるシミュレーションの役割を認識し、プロセスのギャップに対処する企業が増えるにつれ、その採用が増加するでしょう。さらに、これにより、環境指標を向上させるだけでなく、組織の内外でより迅速にイノベーションを推進することも可能になるでしょう。シミュレーションが世界の持続可能性目標に与える総体的な影響は、これからますます大きなものになると予想されます。
エンジニアリングシミュレーションが持続可能性への取り組みをどのように推進できるかについては、レポート全文をお読みください。
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