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Ansys SAM EnterpriseとAnsys Scade Oneでセーフティクリティカルなシステム開発を変革

9月 30, 2025

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Asmaa Lapouge | Ansys, part of Synopsys、Senior Product Marketing Manager
Laura Carter | Ansys, part of Synopsys、Senior Corporate Communications Manager
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セーフティクリティカルなシステムの開発は、特に組込みソフトウェアやシステムズエンジニアリングへの需要の高まりに伴い、ますます複雑になっています。自動車から航空宇宙、防衛、鉄道まで、システム設計者や組込みソフトウェアエンジニアは、スケジュールを短縮し、業界標準に準拠するというプレッシャーの中、安全性、信頼性、性能に対する期待に応える必要があります。

システムの複雑さが増すと、ハイレベルなアーキテクチャに対応し、さらに下流の開発ソリューションにシームレスに接続できるモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)ソリューションが必要になります。しかし、多くの場合、新しい需要に適応する際に、システム設計全体を組込みソフトウェアと接続することに苦労しています。特に、複数のツールや特殊なモデリング言語を使用する場合はなおさらです。

これらの課題に対処するために、SysML v2 WebプラットフォームであるAnsys System Architecture Modeler (SAM) Enterpriseの機能をご紹介します。これは、ツール間の相互運用性と効率的なワークフローを目的に設計された新しいMBSEソリューションです。SAM Enterpriseには、Ansys Scade Oneも含まれています。このモデルベースのソリューションは、システムと組込みソフトウェアエンジニアリング間のギャップを埋め、エンドツーエンドの一貫性を確保し、開発サイクル全体でリスクを軽減するために役立ちます。

組込みソフトウェア開発のモデルベースソリューションAnsys Scade Oneのデモ

サイロ化したエンジニアリングと複雑さを増すシステムに対応

これまでは、チーム内の設計者、ソフトウェア開発者、ハードウェアエンジニアが、サイロ化した開発手法で、それぞれ独自のプロセスとソリューションを探し求め、各担当範囲の定義を決定していました。しかし、このような断片化した状態は、特にソフトウェアがシステムの挙動に与える影響に関して、設計の後期段階における問題発生につながる可能性があります。

よくある問題の1つは、ハードウェアとソフトウェア間のインターフェースのミスマッチで、変換時に設計の前提が失われてしまいます。信号変換やエネルギー消費などの重要な面が、開発後期まで見過ごされる可能性があります。

このような問題は、ソフトウェアの効率がミッションの成功とバッテリー寿命に直接影響する自動運転車や電動航空機などの分野では特に重大です。

さらに、多くの業界では、ソフトウェア制御されるシステムへの依存度が高まっています。こうした変化により、システムレベルのアーキテクチャと組込みソフトウェア開発間のより緊密な調整が必要になります。

Ansys, part of SynopsysのプロダクトマネジメントのSenior ManagerであるMichael Sodenは、次のように語ります。「すべてのシステムエンジニアは、特に電気、ハードウェア、構造、ソフトウェアなど、さまざまな面にわたって設計の意思決定の影響を理解し、統合することを求められています。たとえば、分離された組込みソフトウェア開発を担当するエンジニアの場合、制御アルゴリズムが実際にシステム設計全体にどのように影響するか、常に認識できるとは限りません。」

ハードウェアチームとソフトウェアチームのコミュニケーションに一貫性がない場合は、開発がさらに困難になります。Sodenは次のように述べています。「ハードウェアとソフトウェアのインターフェースにミスマッチが見られることがよくあります。早い段階で、相互作用が適切に文書化されていない、もしくは適切に管理されていないためです。その結果、開発の後半で問題が顕在化する傾向があります。」

SysML v2に基づくAnsysの次世代システムモデリングツール

SAMは、連携・相互運用可能な最新のシステムアーキテクチャの設計法を求めるシステム設計者のためのAnsysのソリューションです。開発後期の問題発生につながる課題を解決することができます。SysML v2に基づくSAMは、適切な抽象化レベルでアーキテクチャを定義し、同時にエンジニアリングワークフロー全体にわたってトレーサビリティを確保します。

SysML v2言語は、システムモデリングにおける大きな進化であり、従来の言語の相互運用性の課題を克服しています。SysML v2の標準化されたアプリケーションプログラミングインターフェース(API)は、サードパーティのソリューションとの統合を容易にします。つまり、より効果的に連携し、信頼できる共有の情報源を使用して作業することが可能になります。

Ansysの広範なシミュレーションおよび安全ソリューションにSAMを統合することにより、一貫性のある効率的なコラボレーションを実現します。AnsysのProduct Marketing ManagerであるThierry Le Sergentは、次のように述べています。「目標は、開発サイクルの早い段階で不整合を発見し、可能な限り上流で対処することです。現在、SAMでできることは、これまでも行われていましたが、効率的ではありませんでした。」

また、SAMはリアルタイムのマルチユーザーコラボレーションをサポートし、各エンジニアリングチームは同じモデルで同時に作業ができます。SAMは、バージョン管理と構成管理機能を備えており、大規模なプロジェクトのスケーラビリティを確保するために役立ちます。

Sodenは次のように述べています。「SAMは、システムアーキテクチャを事前に確立し、そこに組込みソフトウェア、安全性、信頼性、シミュレーション、テストワークフローを矛盾なく接続するために有効です。システムエンジニアが、さまざまな物理的・動的側面において適切な設計の意思決定を行うためには、これ以外の方法はありません。」

Sodenは、ツール間の互換性を改善するためにSysML v2が果たす役割についても強調しています。「SysML v2は、システムエンジニアに適切な抽象化レベルを提供する新しい言語です。SysML v1とは異なり、v2は標準化されたAPIを備えており、データ交換とツールの相互運用性が大きく向上しています。」

従来のアプローチは、多くの場合、互換性のない各ソリューションの使用や手動での更新が必要であり、再作業や不整合が発生します。AnsysのプロダクトマネジメントのSenior ManagerであるVincent Rossignolは次のように述べています。「大抵、適切な理由に基づいて、そうした作業を実施しています。SAMとSCADE Oneは機能ベースの開発をサポートし、Pythonを使用したソリューション間の変換スクリプトを提供します。このスクリプトはカスタマイズ可能です。」

また、SAMを使用することで、システムレベルの要件、アーキテクチャ、インターフェース定義に連携して取り組むことができます。これらのアセットは、下流のAnsys medini analyzeなどの安全分析ソリューションで再利用できます。重複した作業は不要です。Sodenは、次のように利点を強調します。「たとえば、medini analyzeで安全分析を更新したい場合は、ボタンを押すだけで、最新のシステム設計と自動的に同期できます。これで、コストのかかる遅延を回避できます。」

多くの場合、この統合はSAMを超えて拡張されます。しかし、SCADE Oneを使用すれば、システムモデルから組込みソフトウェアへより簡単に移行できます。また、システムエンジニアはプロセスの早い段階で要件やインターフェースを改良し、コストのかかる予期せぬ事態が設計後期に発生することを回避できます。最終的に、SAMはこの接続されたエコシステムのバックボーンとして機能し、各エンジニアリングチームは整合性を確保しながら専門のソリューションを使用できます。

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Ansys System Architecture Modeler (SAM) EnterpriseのソフトウェアアーキテクチャはSCADE Oneに自動的にインポートされる

SCADE One: 安全性とスピードを追求した組込みソフトウェア

SCADE Oneは、セーフティクリティカルな組込みソフトウェア開発のための、Ansysの次世代ソフトウェアです。産業用グレードの信頼性というレガシーを基盤に、モデリング、テスト、ユーザーエクスペリエンスの向上を実現します。このソフトウェアの最も大きな利点は、開発の初期段階でソフトウェアのプロトタイピングと改良を行うことができる点です。

AnsysのProduct ManagerであるCedric Pasteurは次のように述べています。「多くのお客様が、コード生成だけでなく、ソフトウェアプロトタイピングや要件の妥当性確認にもSCADEプラットフォームを使用しています。

システムレベルで定義したインターフェースとブロックは、ソフトウェア領域で再利用できます。この移行を自動化することで、お客様に真の価値をご提供しています。」

SCADE OneとSAMを接続することにより、システムアーキテクチャから組込みソフトウェアへスムーズに移行できます。SAMで定義されたインターフェースと要件は、SCADE Oneにインポートして拡張できるため、手動での重複を排除し、一貫性を確保できます。

この統合により、カスタマイズ可能な変換スクリプトもサポートされ、特定の開発プラクティスに合わせてワークフローを調整できます。Sodenは、この統合はより広いビジョンの一部であると述べています。「SAM Enterpriseは、ソフトウェアプロトタイピングのようなワークフローを可能にしますが、これは、一貫した手法で結び付いた多くのエンジニアリングワークフローの1つにすぎません。」

ソフトウェア定義車両から自律システムへの移行

SAMとSCADE Oneの統合は、急速な変革に直面する、さまざまな業界ですでに価値が証明されています。たとえば、自動車業界では、ソフトウェア定義車両(SDV)の出現により、企業は従来のアプローチの再考を迫られています。

Rossignolは次のように述べています。「自動車システムは、ハードウェア中心のアーキテクチャからソフトウェア中心のアーキテクチャに変化しています。エンジニアは、SAMのようなソリューションを活用して、この変化に効率的に対応できます。特に、SCADE Oneのような組込みソフトウェアソリューションで補完されている場合はさらに効果的です。」

同様に、ドローン、モバイルロボット、自動運転機能などの自律システムでは、システム設計者がSAMを使用して、複雑な相互作用をモデル化し、制御ロジック、環境モデル、ミッション目標の依存関係を管理することができます。「自律システムの採用が増えています。そうしたシステムは、環境との動的相互作用を必要とします。」とSodenは語ります。「SAMは、すでにSysML v2によりその一部を実現しています。」

防衛用途は、もう1つの重要な分野です。「現代の防衛システムは、急速にSoS(システムオブシステムズ)に変化しています」とRossignolは話します。SAMは、Ansys Systems Tool Kit (STK)のようなミッションレベルのモデリングソリューションをサポートし、個々のサブシステムを定義してシミュレーションすることに優れています。」

Sodenは、将来的な標準化により、これらの領域がさらに近づく可能性を示唆しています。「最終的に、SysML v2はUnited Architecture Framework(UAF)、米国国防省(DODAF)や英国国防省(MODAF)のアーキテクチャフレームワークと同様、より抽象的なミッションモデリングをサポートする可能性があります。」

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SAM Enterpriseを含むSCADE Oneは、アーキテクチャから実装までのソフトウェアプロトタイピングを加速する。

Ansysのツールでシステムの複雑さに対応

複雑なセーフティクリティカルシステムに対する需要が高まる中、ソフトウェアエンジニアやシステムエンジニアは、絶えず変化する要件に対応しながら、開発スケジュールを短縮することを求められています。これらの要求を満たすためには、ハードウェアとソフトウェアの開発のギャップを埋め、下流の他の開発ソリューションと接続できる実践的なMBSE戦略が必要です。

SAMとSCADE Oneはモデルベース開発の新時代の基盤を築いています。そこでは、システム設計、シミュレーション、組込みソフトウェアのエンジニアリングが個別のタスクではなく、1つの連続したデジタルスレッドの一部となります。

詳細については、新しいウェビナーSAM Enterprise: システムモデリングからシームレスなソフトウェアプロトタイピングへをご覧ください。


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「大抵、適切な理由に基づいて、そうした作業を実施しています。SAMとSCADE Oneは機能ベースの開発をサポートし、Pythonを使用したソリューション間の変換スクリプトを提供します。このスクリプトはカスタマイズ可能です。」

—Vincent Rossignol、Ansys、プロダクトマネジメントのSenior Manager


asmaa-lapouge
プロダクトマーケティング担当シニアマネージャー

Asmaaは、2022年にプロダクトマーケティング担当マネージャーとしてAnsysに入社しました。現在は、プロダクトマーケティング担当シニアマネージャーとして、デジタルツインやクラウドベースのテクノロジーを活用して、個人や組織の可能性を最大限に引き出すことに取り組んでいます。 

Laura Carter
コーポレートコミュニケーションマネージャー

Lauraは、ライター兼クリエイティブスペシャリストとして、Ansysの製品に高い関心を持つお客様に向けて多様な情報コンテンツを提供しています。OEMメーカーやTierサプライヤーのアカウントの管理やライターとしての豊富な経験を活かして、自動車業界に関する独自の視点と専門知識でコンテンツを作成しています。

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