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Danfoss Drives社:AIと自動化によって効率性を追求し、シミュレーションを最大限に活用

8月 28, 2025

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Jennifer Procario | Ansys, part of Synopsys、Corporate Communications Manager
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ある大手ドライブメーカーがデジタル化を推進し、ワークフローを効率化しながら、持続可能性への取り組みを進めています。

多くのメーカーがデジタル化に移行していますが、それには正当な理由があります。McKinsey & Company社の調査によれば、高度なデータと分析、人工知能/機械学習(AI/ML)、およびその他の技術を適切に統合すれば、設備のダウンタイムを30~50%短縮し、スループットを10~30%向上させ、労働生産性を15~30%高め、予測精度を85%向上させる可能性があるとされています。

エネルギー効率に優れたソリューションを提供する大手企業Danfoss社の子会社であるDanfoss Drives社では、Ansysのシミュレーションソリューションとインダストリー5.0のテクノロジーを活用し、主力製品である交流(AC)ドライブの製造効率を向上させています。運用効率の向上の恩恵は環境面にも及び、エネルギー消費量の削減と排出ガスの低減が実現します。

Danfoss Drives社は、AI/MLやPythonベースのツールを含むAnsysのマルチフィジックスシミュレーションソリューションを活用し、チーム全体でのシミュレーション活用を促進することで、設計と開発プロセスの効率化を図っています。その結果、同社は、顧客のニーズを満たし、持続可能性を後押ししながら、物理的なプロトタイプの削減、コストカット、時間短縮を実現しています。

シミュレーションを民主化して効率を向上


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Danfoss Drives社のiC7-Automationは、幅広い定電力/トルク向けに設計された低電圧ドライブである。

ACドライブは、電動モータの速度を負荷需要に合わせて制御するのに役立ち、マテリアルハンドリングや加工から食品・飲料に至るまで、幅広い業界で使用されています。このドライブにより、プロセス制御の高度化、エネルギー使用量の削減、モータ制御における機械的応力の低減、電動モータに依存する各分野での運用最適化を実現できます。

Danfoss Drives社は10年以上にわたりAnsysのソリューションを統合してきました。同社のチームが活用しているマルチフィジックスシミュレーションツールには、以下のものがあります。

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Danfoss Drives社のVLT®分散ドライブFCD 302は、場所をとる制御キャビネットを必要とせず、食品・飲料業界やマテリアルハンドリング業界などで見られる、多数のドライブが広範囲に分散される用途に最適である。

Danfoss Drives社のパワーエレクトロニクスおよびドライブ部門は先ごろ、AnsysソフトウェアのPythonicなアクセスツールであるPyAnsysなど、別のAnsysソリューションをワークフローに導入しました。

PyFluentツール、PyAEDTツール、PyEDBツールを含むPyAnsys製品を使用すれば、あらゆるレベルのユーザー向けに使いやすいシミュレーションアプリをスクリプト化することができます。

Danfoss Drives社の仮想設計・テスト・最適化担当責任者であるMichael Laursen氏は、次のように述べています。「シミュレーションの専門家ではない設計エンジニアなどにも、シミュレーション結果に基づいて意思決定を行ってほしいと考えています。そのため、私たちは、シミュレーションの専門家ではないチームメンバーも使用できる、特定のシミュレーションに特化したシミュレーションアプリを作成しています。」

このアプリは自動化されており、シミュレーションはバックグラウンドで行われます。ユーザーは、簡単にWebページにログオンし、使用したいアプリを選択することができます。

AIの知見によりシミュレーションを最大限に活用

また、同社は、AIを活用したバーチャルアシスタントであるAnsysGPTや、ナレッジ検索と検証を支援するクラウド対応のAIプラットフォームであるAnsys SimAIなど、AnsysのAIソリューションの活用も模索しています。

Laursen氏は次のように語っています。「これは、デジタル化への取り組みの一環です。私たちはナレッジ検索エージェントを検討していますが、複数のエージェントが連携して動作する、よりエージェンティックなフレームワークへと焦点を移しています。私たちの長期的なビジョンは、シミュレーションのエキスパートとして機能するエージェントを持つことです。これにより、仮想環境と物理的環境を橋渡しし、の解決策を見出すために正しい道筋に乗っているかどうかを適切に把握できるようになります。」

Ansysのデータを使用してトレーニングされたAnsysGPTアシスタントは、24時間365日のテクニカルサポートを提供するとともに、Ansys Innovation Courses、技術文書、ブログ記事、ハウツー動画など、信頼性の高いAnsysの各種リソースに基づいて、用途に即した最適な回答を生成します。

物理場に依存しないクラウドネイティブなSimAIプラットフォームを使用すると、Ansysの製品で過去に生成されたデータやその他のソースを用いてAIモデルをトレーニングし、数分で新しい設計の性能を評価できるようになります。このSaaS(Software-as-a-Service)は、Ansysシミュレーションの予測精度と、クラウドを介した生成AIのスピードを組み合わせたものです。計算負荷の高いプロジェクトのあらゆる設計段階でモデル性能が10~100倍向上します。

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Ansys SimAIのワークフローでは、データのアップロード、モデルのトレーニング、そして予測の3つのシンプルなステップが実行される。

同社は、最近のパイロットプロジェクトで2つのユースケースを設定し、ツールの性能と精度を評価しました。

最初のユースケースでは、ヒートシンクを扱いました。プロジェクトでは、Fluentとプロセス統合および設計最適化ソフトウェアAnsys optiSLangを使用し、SimAIプラットフォーム上で、それぞれ6つのジオメトリパラメータを持つ約86種類の異なるジオメトリバリエーションを用いてAIモデルを作成し、トレーニングしました。ジオメトリパラメータには、ヒートシンクの幅、ヒートシンクの長さ、フィンの高さ、ベースプレートの厚さ、フィンの厚さ、フィンの数が挙げられます。

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Danfoss Drives社のパワーエレクトロニクスおよびドライブ部門では、ヒートシンクを含む2つのユースケースでSimAIを評価した。

SimAIモデルは、最大温度と平均温度を正確に予測し、最大相対誤差は0.6%未満でした。このモデルは、別のジオメトリバリエーションにも適切に一般化し、高い予測精度を維持しました。

2つ目のユースケースでは、パレット落下試験シミュレーションを実施しました。チームは、Mechanicalと非線形動的構造シミュレーションソフトウェアAnsys LS-DYNAを使用し、変位場と応力場の既存のシミュレーションデータに基づき、SimAIプラットフォーム上でAIモデルを作成し、トレーニングしました。

SimAIモデルの結果は、従来のソルバーの結果、特に平均および最大変位・応力値とよく一致し、高い精度を示しており、従来のシミュレーションとの偏差は、多くのケースで5%未満でした。その結果、概念実証が成功し、SimAIがシミュレーションタスクの高速化とコスト削減を実現できるだけでなく、専門家ではないユーザーでも広く導入できることが分かりました。

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数秒で複数の設計案を評価できるAnsys Discoveryでは、材料を解析し、最適な構造的適合性を見つけることもできる。

仮想環境を活用

Laursen氏とそのチームは、設計の反復をスピードアップするため、シミュレーションを早期段階で取り入れています。

Laursen氏は次のように述べています。「早期段階で取り入れること、まさに、それこそが重要なポイントなのです。私たちは仮想環境とシミュレーション環境にできる限り長く留まりたいと考えています。そうすれば、真にアジャイルな製品開発が可能になるからです。実際のハードウェアをループに組み込むと、部品を注文して、部品が届くのを待ち、その後、それらを組み立てて、ラボに行き、テストを行う必要があります。これは非常に長い開発ループとサイクルになります。仮想環境には、実世界にある制約が一切ないため、より多くの設計反復をはるかに簡単に行うことができます。」

Danfoss Drives社の顧客も、デジタルワークフローの利点を認識しています。

Laursen氏は次のように語っています。「お客様からは、デジタルモデルやそのような技術でサポートできないのであれば、サプライヤーとして認められないと明確に言われています。」

設計反復の強化と顧客満足度の向上に加えて、Danfoss Drives社の最重要目標の1つとなっているのが、物理的なプロトタイプの削減であり、これによってすでに大幅なコスト削減が実現しています。

Laursen氏は次のように述べています。「これまでは、1つのコンセプトプロトタイプ、2つの詳細な設計プロトタイプ、1つの生産プロトタイプの、計4つのプロトタイプを作成していましたが、Ansysのシミュレーションを導入して、1つの詳細な設計プロトタイプを削除したところ、開発期間を6~9ヵ月短縮し、費用を大幅に節約することができました。時間は非常に重要ですが、初期プロトタイプのコストも無視できません。」

Laursen氏は、仮想プロトタイピングの拡大を計画しており、物理的なプロトタイプを1つだけ作成することをチームの最終目標として掲げています。

デジタルワークフローを今すぐ導入しましょう

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Danfoss Drives社のVLT®ミディドライブFC 280は、食品・飲料、マテリアルハンドリング、加工などの業界の機械メーカーが求める精密かつ効率的なモータ制御を提供する。

Ansysがお客様の業務をどのようにサポートできるかについては、当社の『産業プロセスおよび機器シミュレーションソフトウェアソリューション』をご覧ください。

Danfoss Drives社のデジタル化への取り組みに関する詳細は、ブログ「Danfoss Drives社がシミュレーションを活用して持続可能性とデジタルトランスフォーメーションを後押し」をご覧ください。


お客様におすすめのリソースをご用意しています。

リソースを見る


「私たちは、シミュレーションの専門家ではないチームメンバーも使用できる、特定のシミュレーションに特化したシミュレーションアプリを作成しています。」

— Michael Laursen氏(Danfoss Drives社、仮想設計・テスト・最適化担当責任者)



コーポレートコミュニケーションマネージャー

Jennifer Procarioは、Ansysのコーポレートコミュニケーションマネージャーとして、AI/ML、産業機器、IIoT、デジタルツイン、エネルギー、STEMなど、さまざまな業界、テクノロジー、トレンドに幅広く対応しています。また、Ansys社内のチームやお客様と連携して、ソートリーダーシップとお客様の成功事例を発信しています。これまで、ニュース、マーケティング、広告だけでなく、法務および経営関連までの幅広い領域で執筆および広報を担当してきました。Ansysに入社したのは2021年です。

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