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Ansysを導入して半導体イノベーションを加速: 2025 R1における機能強化の紹介

2月 05, 2025

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Akanksha Soni | (Ansys、プロダクトマーケティングマネージャー)
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半導体業界は急速に進化し続けており、より高速かつ効率的で電力最適化された設計に対する要求が高まっています。Ansysは、コストを削減して性能を向上させながら、市場投入までの時間を短縮する際に直面する、設計時の課題をよく理解しています。2025 R1では、Ansysの半導体製品ポートフォリオのさまざまな機能が強化され、これまでにないスピード、精度、使いやすさを実現しています。

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2025 R1の半導体分野におけるソリューションの主な特長

基板全体での性能向上

2025 R1では、大幅なスピードアップとパフォーマンスの最適化を実現するための機能が追加され、最も複雑なチップ設計にも自信を持って取り組むことが可能になります。

  • Ansys RedHawk-SC: 高度なマルチスレッド機能強化により、解析実行時間を35%短縮できます。
  • Ansys Totem-SC: 並列処理は5倍高速になり、より迅速で正確な電力および信頼性解析が可能となります。
  • Ansys RaptorX: 大規模な設計を3倍高速に解析し、EM/IRおよび熱的健全性ワークフローが効率化されます。
  • Ansys ParagonX: 寄生抵抗抽出が100倍高速になり、インターコネクトとレイアウトを迅速に最適化できます。

低消費電力設計の新機能

Ansys PowerArtistでは、低消費電力かつエネルギー効率の高い設計の懸念点となるグリッチ電力を解析および修正するための強力な手法が採用されました。この新機能により、設計者は電力異常を正確に特定して対処できるようになり、次世代チップの効率が向上します。

Ansys PowerXの正式リリース

これまでベータ版として提供されてきたPowerXが正式にリリースされ、設計エンジニアや半導体メーカーのお客様が使用できるようになりました。これは半導体パワーデバイスの寄生成分に関する問題を迅速に特定できる寄生成分デバッグツールであり、設計時間を数時間から数日ほど短縮します。

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Ansys RedHawk-SC Electrothermalでの3D ICの構造解析

3D-ICおよびマルチダイの機能強化

2025 R1では、すべてのチップレットおよびインターポーザーの電力データをより効率的に1つのモデルに統合できるようになり、メモリ使用量を削減しながら、3D-ICのパワーインテグリティ解析を高速化できます。この機能強化により、シミュレーション時間が短縮され、システムレベルの有効抵抗の迅速な計算も容易になります。さらに、フォトニック回路を備えた3D-ICの伝熱解析では、包括的なシステムレベル解析に関するAnsysの専門知識によって強化された高度なソフトウェア機能を利用できます。

AMSの設計とサインオフ

ParagonXは、信号インターコネクトのためのICレイアウト寄生解析およびデバッグツールです。最新の機能強化により、並列処理を通じて寄生成分に関連する設計上の問題を極めて高速に特定できるようになりました。さらに、RaptorXソルバーの性能が大幅に向上したことで、より大規模なアナログ設計およびミックスドシグナル設計のサインオフが3倍高速になりました。 

ファウンドリとのコラボレーション

AnsysとTSMC社のコラボレーションが強化され、製造段階で3D-ICの熱誘起応力を評価するためのAnsys RedHawk-SC Electrothermalとの新しいフローが開発されました。 

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ハードウェアセキュリティの強化

Ansysは、ハードウェアセキュリティの大手であるeShard社とパートナーシップを結び、サイドチャネル攻撃からのチップを保護するセキュリティを強化しています。これにより、プレシリコンとポストシリコンの両方のセキュリティ検証を含む包括的なソリューションが提供されます。eShardでは、AES、RSA、ECC、HMACなど、多くの高度なセキュリティアルゴリズムを検証するための実証済みのアルゴリズムを導入できます。このコラボレーションにより、Ansys RedHawk-SC Securityではプレシリコン設計段階で同様の広範な暗号解析スイートを実行し、弱点となりえる領域にフラグを付けることができます。さらに、物理的なサイドチャネルのリークによるデータ侵害が発生しないようになります。

2025 R1のリリースは、イノベーションの限界を押し広げるツールをエンジニアに提供する、というこれまでのAnsysの取り組みを反映しています。AI、モノのインターネット(IoT)、自動車、通信など、あらゆる分野の設計でAnsysの半導体解析ソリューションを導入することで、革新的な製品をより迅速かつ効率的に開発できるようになります。

2025 R1の新機能の詳細については、こちらをご覧ください。


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プロダクトマーケティングマネージャー

Akanksha Soniは2年間にわたり、Ansysで半導体設計およびシミュレーション製品を中心とする製品マーケティングに携わってきました。以前は、Cadence Design Systems社で7年間にわたり製品検証と技術マーケティングに従事していました。Soniは、電子工学と通信工学の学士号を取得しています。

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