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AIに対応: Seagate社、NVIDIAを活用したAnsysのシミュレーションにより、スケーラブルで持続可能なデータストレージソリューションを拡大

6月 26, 2024

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Jennifer Procario | Ansys、シニアマーケティングコミュニケーションライター
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人工知能(AI)にはデータが不可欠です。データを使用して、AIモデルのトレーニング、保守、妥当性確認を行います。AIが世界中のさまざまな業界で普及するにつれて、より大規模なデータストレージの必要性が急速に高まっています。2025年には、181ゼタバイト(ZB)(予測範囲として175~200ZB)のデータが生成されると予測されています。参考として、1ZBは、1,000エクサバイト(EB)、10億テラバイト(TB)、または1兆ギガバイト(GB)に相当します。これは大量のデータです。実際に、保存可能なデータ量をはるかに超えています。世界のデータストレージ容量は、来年には約16ZBに達すると予想されています。

大容量データストレージソリューション分野のリーダーであるSeagate Technology社は、高まる需要に持続的に対応するために、AnsysのシミュレーションとNVIDIA社のテクノロジーを活用して、次世代のMozaicハードディスクドライブテクノロジーを開発しています。現行プラットフォームであるMozaic 3+は、プラッタあたり3TBという他を凌駕する面密度の大容量ストレージを提供します。今後登場するモデルのMozaic 4+はプラッタあたり4TB、Mozaic 5+はプラッタあたり5TBのデータを保存します。Mozaic 3+プラットフォームは、現在、最大32TBの容量を誇るSeagate Technology社のExosハードディスクドライブに搭載されています。

Seagate Technology社は、AnsysとNVIDIA社のサポートを受けて、Mozaicプラットフォームで消費電力を増やすことなく、データ保存量を大幅に増加することができました。流体シミュレーションソフトウェアであるAnsys Fluentと、NVIDIA社のアクセラレーテッドコンピューティングを統合することで、設計を最適化し、最大で50倍高速化して、効率を向上させ、コストを削減し、AI関連データに対する新たなニーズに対応する大容量データストレージソリューションを開発しています。

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最大で32テラバイト(TB)のデータを保存できるExos Mozaic 3+ハードディスクドライブ

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Ansys Fluentプラットフォームで実行した、ハードディスクドライブの内部流速のCFDシミュレーション画像:Seagate Technology社

GPUによる計算能力でCFDを最適化

Seagate Technology社は、45年以上前に設立されました。40億TBを超えるデータ容量を生産してきた同社は、現在ではストレージのデバイス、システム、サービスのフルポートフォリオを提供しています。同社は、AIテクノロジーの拡大を迎えている今日のストレージ需要を受けて、シミュレーションとアクセラレーテッドコンピューティングを使用して設計と開発を強化しています。

具体的には、数値流体力学(CFD)シミュレーションソフトウェアのFluentと、NVIDIA DGXシステムを組み合わせることで、モデルの解析時間を大幅に短縮し、設計の大幅な最適化と生産性の向上を実現しています。

Fluentのシミュレーションでは、アクセラレーテッドコンピューティング(ネイティブのマルチグラフィックス処理ユニット(GPU)ソルバー)で、CFDシミュレーションをスピードアップさせる優れた機能が提供されます。ネイティブ実装により、複数のGPU上でソルバーコードが実行されることで、CFD向けのNVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングの可能性を最大限まで引き出します。これにより、従来のCPU駆動型ソルバーと比較して、Fluentではシミュレーション時間、ハードウェアコスト、および消費電力を大幅に節約できます(FluentのGPUソルバーの詳細については、こちらを参照)。

AnsysとNVIDIA社のテクノロジーが採用される前、Seagate Technology社のハードウェアには、40コアCPUで構成されたワークステーションが含まれていました。そのため、当時のワークフローは時間がかかる面倒なものでした。Seagate Technology社のCPUベースのワークステーションでの実行時間は、メッシュサイズが約5,000万セルのシャーシレベル空力騒音モデルでは約1か月、そして最大1億セルを含む細かい高品質なメッシュの場合はそれ以上の時間がかかりました。

現在、同社はNVIDIA DGXシステム上で、Fluentモデルを実行しています。

Seagate Technology社のアドバンスドメカニカル開発担当シニアディレクターであるKent Forbord氏は、次のように述べています。「NVIDIA DGXとAnsys Fluentを使用することで、ドライブ内部の流れモデルの実行時間をわずか数分に短縮できます。これは、約50倍のスピードアップです。NVIDIA DGXとAnsys Fluentを組み合わせることで、外部空力騒音モデルの実行時間は、1か月から24時間以内に短縮できます。解析時間の短縮で得られる最終的なメリットは、より多くの設計を短時間で評価でき、最終的には、より最適な設計を得られるようになることです。」

次世代ハードディスクドライブの開発

Seagate Technology社は、次世代のMozaicハードディスクドライブを開発しています。これらは、面密度に関しては際立っており、同社独自の熱アシスト磁気記録(HAMR: Heat-Assisted Magnetic Recording)が実装されています。面密度(「表面密度」とも呼ばれる)は、基本的にオブジェクト表面の1平方インチあたりの保存容量を測定する値です。

同社によると、ハードディスクドライブにさらにディスクを追加しても、容量は増加しますが、必ずしも効率的ではありません。まず、ハードディスクドライブ内の各ディスクには多くの材料が必要です。それによって、全体的な材料使用量が増加するばかりか、消費電力も増加します。一方、面密度を高めると、より多くの材料やディスクを使用せずに各ディスクで多くのデータを保持できるようになり、より効率的なアプローチとなります。基本的に、ストレージの容量ではなく品質が重要です。

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今後登場するハードディスクドライブモデルMozaic 4+はディスクあたり4TB、Mozaic 5+はディスクあたり5TBのデータが保存可能

トラックとは、データを保存するハードディスク上の円形のリングまたはバンドです。同社が開発中のHAMR対応プラットフォームMozaic 4+と、ラボテストで実証中のMozaic 5+では、より高いトラック密度を達成することが重要な目標です。

同社のエンジニアは、トラック密度を高めるために、粒子輸送、乱流抵抗、構造励振など、ドライブ内の重要な気流指標を評価して最適化するために、Fluentのシミュレーションを導入しています。

システムレベルでは、ドライブ外部の動的励振、温度、圧力損失をモデル化して、システム全体の冷却フローを評価します。熱解析も、効率的で安全なハードディスクドライブを設計する上で重要です。さらに、空力騒音シミュレーション(流れている流体から生じるサウンドのモデリング)も実行して、システムシャーシやファンの設計を改善しています。

データセンターでは、Mozaicドライブを導入することで、同じスペースにより多くのデータを保存できるようになり、より小さなフットプリントでさらに多くの計算能力を提供して、顧客の総所有コスト(TCO)を削減できます。これらのドライブは、同社のこれまでのハードディスクドライブと同じ3.5インチのフォームファクターながら、ナノスケールでの磁気不安定性に対処する超格子プラチナ合金媒体など、最先端の材料を採用しています。

さらに、GPUを活用したシミュレーションワークフローは、設計を高速化しながら、材料と電力の使用量を削減します。

Forbord氏は、次のように述べています。「より上流の工程でモデリングと設計の最適化を行うことで、作製するプロトタイプ数や実機試験の回数を減らすことができます。それにより、設計サイクルを短縮するという究極の目標を達成できます。」

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Mozaicドライブの設計では、最先端の材料と構造を採用し、データセンターは、より少ないスペースでより多くのデータをより効率的に保存することが可能

AIブームに対応したデータストレージの高速化

Mozaicドライブは、大きな差別化を達成しています。このハードディスクドライブは、面密度の向上によって、同じスペースでより多くのデータを保存できます。また、アップグレードされたワークフローで、より多くのドライブをさらに高速に生産できるようになりました。

Forbord氏は、次のように述べています。「モデルを1か月ほど実行したときに、もはや設計ツールとして使用することができないとわかりました。当社のチームは、AnsysとNVIDIA社のテクノロジーを組み込むことで、イノベーションプロセスを効率化でき、市場投入までの時間を大幅に短縮できました。」

Seagate Technology社は、AI関連データの増加についても準備ができています。

Forbord氏は、次のように述べています。「現在のデータエコノミーを促進するAI登場前およびAI登場後の大量の解析データを保存するためには、現在のクラウドデータセンターの90%を占めているハードディスクドライブが重要になります。Mozaicプラットフォームのような面密度のイノベーションは、ストレージのTCOを削減し続け、AIモデルの解析前および解析後の処理で使用するために、より大量のデータを保存しておけるようになります。」

無料トライアルをリクエストして、FluentでのCFDの可能性を実際にご確認ください。2024 R1のオンデマンドウェビナーでは、Ansys FluentのGPUソルバーの最新アップデートの詳細についてご紹介します。


お客様におすすめのリソースをご用意しています。

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「NVIDIA DGXとAnsys Fluentを使用することで、ドライブ内部の流れモデルの実行時間をわずか数分に短縮できます。これは、約50倍のスピードアップです。」

— Kent Forbord氏(Seagate Technology社、アドバンスドメカニカル開発担当シニアディレクター)


コーポレートコミュニケーションマネージャー

Jennifer Procarioは、Ansysのコーポレートコミュニケーションマネージャーとして、AI/ML、産業機器、IIoT、デジタルツイン、エネルギー、STEMなど、さまざまな業界、テクノロジー、トレンドに幅広く対応しています。また、Ansys社内のチームやお客様と連携して、ソートリーダーシップとお客様の成功事例を発信しています。これまで、ニュース、マーケティング、広告だけでなく、法務および経営関連までの幅広い領域で執筆および広報を担当してきました。Ansysに入社したのは2021年です。

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