Ansysは、シミュレーションエンジニアリングソフトウェアを学生に無償で提供することで、未来を拓く学生たちの助けとなることを目指しています。
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Ansysブログ
June 1, 2023
半導体メーカーは、より高速で処理能力が高く、よりインテリジェンスで高い精度をこれまで以上に小さなフットプリントに凝縮させた次世代チップを開発するために日々競い合っています。こうした状況で、電子設計自動化(EDA)において、かつては小さな懸念点に過ぎなかったことが大きな問題へと発展しており、集積回路(IC)設計者やレイアウトエンジニアが対応しなければならない新たな課題が生まれています。
チップが小型になっているのは、機能が削除されているためではありません。実際は、それとは反対により多くの機能が、より小さなパッケージに凝縮されるようになっています。これらの機能は、複雑なマトリクスのように相互接続された数千個から数百万個、場合によっては数十億個の配線やトランジスタによって実行されています。こうした狭い領域でのレイアウトは、設計の性能、信頼性、機能性を制限するような、意図しない結果を招きます。高速信号の性能は、個々の信号線の正確な特性に大きく依存します。その中で最も重要なものは、可能な限り最高の性能を達成するために個別のフローで慎重に作成されます。
ICをテープアウトして製造に送る前の最終的な設計検証を行うサインオフ時に、問題や性能不足が明らかになった場合、再設計の必要があり、大幅な遅延が生じます。今日の複雑な半導体では、その検証プロセスにかなりの時間がかかります。プロセスを再開する前に、問題の原因を特定して修正しなければなりません。こうした根本原因を見つけることは、干し草の中から針を見つけるようなもので、開発がさらに遅れることになります。
これらの問題に対処するために、大手エレクトロニクスメーカーは設計プロセスの早い段階でより多くの解析を実行しています。潜在的な課題を早期に発見して修正するために、ワークフローの早い段階にシミュレーションを組み込むことで、より効率的に性能を最適化できるだけでなく、厳密なサインオフ検証よりも迅速に行えるようになります。この解析は、少数の専門家が実行するのではなく、多数の設計者が実行できるように直感的な操作が可能であることが理想的であり、これによって効率もさらに向上します。
Diakoptoのソリューションは、こうした状況に最適です。さまざまな高速回路、信号ネット、高精度アナログおよび電源ネットワークの早い段階での解析、デバッグ、最適化が可能になります。また、ユーザーが根本原因を特定するのに役立つ知見も得られるようになります。Diakoptoは、2017年に設立されたEDAソリューションプロバイダーです。IC設計およびレイアウトエンジニアがカスタム回路を迅速かつ簡単に解析し、性能のボトルネックを引き起こしている重要な要素を特定するための製品を開発しきました。ICシステムの設計者は、これらの知見に基づいて、レイアウト寄生成分によって発生する重大な問題を解決することで、設計をより効率的に最適化およびデバッグできます。
レイアウト寄生成分は、意図しない抵抗および静電容量(RC)効果であり、電気結合が避けられず、発生する可能性が高くなる、高密度で非常に複雑な最新のICでは、その重要性が高まっています。より高度なシリコンプロセスノードへの移行により、最新のICでは、寄生要素の大きさ、影響、数が指数関数的に増加しています。DiakoptoのParagonXは、寄生成分に関連するデバッグと最適化にかかる時間を、これまでの数日または数週間から、わずか数分または数時間まで短縮することが可能です。ParagonXツールキットは、解釈を容易にする可視化機能と統合されており、抵抗および静電容量/カップリング解析、RC遅延、AC、過渡シミュレーション、ネットとデバイスの比較とマッチングの検証、品質保証と検証、ネットリストの比較と構造解析など、包括的な解析セットを提供します。
Diakoptoのテクノロジーが、SERDES、データコンバータ、RF、差動回路、メモリ、ESDネットワークなどの重要な回路の解析を追加することで、汎用IC設計フローをどのように補完するかを示している
同社のPrimeXを使用すると、エンジニアはブロックレベルとトップレベルの両方で非常に高速な電力グリッド検証を実行できるようになり、既存のエレクトロマイグレーション(EM)/電圧降下(IR)手法が強化されます。PrimeXは、レイアウト内の層/多角形ごとに弱点とボトルネックを特定する明確で直感的な結果をもたらすことで、回路のパワーインテグリティと信頼性を向上させながら、市場投入までの時間を短縮できるようになります。
同社の製品はサインオフレベルの精度を目的としていませんが、高速で、何度も反復的に実行でき、設計者が回路を最適化したり、発見した問題を修正したりするための実用的な解析を提供します。こうした理由から、デジタルおよびミックスドシグナル設計のための業界標準の電圧降下およびエレクトロマイグレーションマルチフィジックスサインオフソリューションであるAnsys Redhawk-SCとAnsys Totemを補完するのに最適なツールです。
DiakoptoのCEO兼CTOであるMaxim Ershov氏は、プレスリリースで次のように述べています。「Ansysに加わることで、私たちは間違いなく、チップ設計ワークフローにおいてこれまで以上に幅広い問題を解決できるようになり、お客様により性能を強化した製品を提供して、データセンターや5G、自動車、モバイルアプリケーション向けのハイテク設計において、より多くのイノベーションを進められるようになります。」
AnsysのポートフォリオにDiakoptoのソリューションが加わります。これまで同社が培ってきたEDAの専門知識を、当社の販売、エンジニアリング、研究、開発の各チームで活用できると期待しています。Diakopto、Ansys Redhawk-SC、およびAnsys Totemの詳細については、こちらをご覧ください。