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心臓は、流体力学、組織力学、そして電気生理学的挙動を組み合わせた精緻な臓器です。心不全、不整脈、弁膜症などの疾患や、医療機器や医薬品が心臓の挙動に及ぼす影響を判断するには、こうした心臓の流体-構造-電気生理学相互作用(FSEI)を理解することが不可欠です。
医療機器メーカーは、計算モデリングおよびシミュレーション(CM&S)を利用して、これらの挙動をより深く理解し、世界で最も一般的な疾患に対応する救命装置を開発しています。しかし、これらの相互作用をシミュレーションで再現するには、心臓の動的特性を扱える高度な技術的専門知識とツールが必要です。イメージングおよび計算手法が進歩しているにもかかわらず、このデータを有意義なシミュレーションに変換することは、高度な技術と大量のリソースを必要とするプロセスです。
Ansys, part of Synopsysは、シミュレーションの専門家だけではなく、それ以外のユーザーもこのプロセスを容易に行えるようにするために、PythonicなインターフェースプラットフォームPyAnsys-Heartを開発しました。人工知能(AI)と高度なシミュレーション技術の強みを組み合わせた本プラットフォームにより、電気的活性化、組織収縮、血流などの重要な心臓機能を非線形動的構造シミュレーションソフトウェアAnsys LS-DYNAで再現できるようになります。多様なユーザーニーズに対応するよう設計されたPyAnsys-Heartプラットフォームは、シンプルなものから高度に複雑なものまで、幅広い心臓モデルを構築できるモジュール式フレームワークを提供します。
PyAnsys-Heartプラットフォームと、自然言語処理や、自律的に機能し意思決定を行うことができるエージェント型AIなどのAI技術を連携させることで、心臓のさまざまな物理現象をモデル化するために必要なPythonスクリプトを自動化することができます。このAI駆動の自動化により、詳細な心臓モデルの作成を簡素化し、ジオメトリの抽出、メッシュの生成、患者固有のデータの処理にかかる時間を大幅に短縮することができます。複雑なスクリプトを手動で実行したり、複数のソフトウェアツールに依存したりする代わりに、PyAnsys-Heartプラットフォームを使用することで、これらのステップを効率化できるようになりました。
Ansysのヘルスケア担当のLead Chief TechnologistであるMark Palmerは次のように述べています。「私たちは、人々が望む心臓を構築できるツールを提供したいと思っていましたが、それ以上に、筋肉などの能動的な組織から、皮膚や骨などの受動的な組織まで、体内のあらゆる組織のモデルを構築できるツールを提供したいと考えていました。今では、これらのすべての材料モデルと、それらの連成マルチフィジックス相互作用がLS-DYNAで利用できるようになったのです。」
この進歩は、筋繊維の方向の定義や電気伝導パターンのシミュレーションなど、心臓モデリングに関わる複雑なプロセスを扱う上で非常に重要です。これらの要素を組み合わせることで、心臓機能のあらゆる側面を同時にシミュレーションし、解析できるため、モデルの有用性と精度が向上します。ユーザーは、これらの相互に関連するプロセスを単一の環境でシミュレーションすることにより、心臓血管の挙動とデバイスの相互作用について、より正確で一貫性のある知見を獲得することができます。
Palmer博士は次のように述べています。「従来であれば、さまざまな物理現象をシミュレーションするためにさまざまなソルバーが必要で、効率が悪く、時間がかかっていました。PyAnsys Heartを使用すれば、モデルをツール間で移動する必要がなく、非常に詳細な電気モデルを作成し、それを力学モデルに結合してから、流体モデルに結合することができます。これはすべて、ジオメトリを変更することなく、同じソルバー内で行うことができます。」
PythonicなインターフェースプラットフォームであるPyAnsys-Heartで利用可能なさまざまなPythonスクリプトの一覧。淡黄色の各ボックスはPythonスクリプトを表す。スクリプトはオープンソースであり、ユーザーが編集および調整できる。
NVIDIA NIMを活用したAI対応チャットボットシステムとエージェント型AIを組み合わせることで、PyAnsys- HeartプラットフォームとAIを連携させることができます。ユーザーがチャットボットに特定のクエリを入力すると、適切なPyAnsys-Heartコードが自動的に実行されます。
この使いやすいチャットボットインターフェースにより、広範なシミュレーショントレーニングを受けていない医療専門家も、没入型の心臓血管系解析に必要な複雑なツールシステムを学ぶ必要がなくなります。このワークフローを活用することで、患者固有の解剖学的構造および病変や、作業環境に存在する医療機器などを可視化することも可能になります。
(左)4室電気機械心臓モデルを作成するために必要なさまざまなPythonスクリプトの一覧。緑色の各ボックスは、モデルを作成する際に自動的に実行されるPythonスクリプトを表す。(右)非線形動的構造シミュレーションソフトウェアAnsys LS-DYNAによるシミュレーション。
さらに、このプラットフォームは、AIを用いて臨床画像からの3Dジオメトリの抽出を簡素化します。ユーザーはAI駆動の自動セグメンテーションツールを導入することで、患者固有のモデルをより効率的に作成できるため、準備時間を短縮するとともに、広範な専門知識を持つ必要性を減らすことができます。
「これまで、臨床画像を処理して3Dジオメトリを抽出するのに数週間かかっていましたが、今では数分で済みます。測定も数日や数時間ではなく、わずか数秒で完了するようになりました。」と、Palmer博士は述べています。このワークフローには、特定のニーズに合わせてモデルをカスタマイズできる高度なツールも組み込まれています。ユーザーは、標準コンポーネントを独自のデータで修正または置き換えたり、独自のデバイス設計を追加したりすることができます。これは、高度にカスタマイズされたシミュレーションを作成する上で非常に有用です。この柔軟性は、特定の心臓疾患への対処や製品開発目標の達成に不可欠です。このレベルの制御性を備えたPyAnsys-Heartプラットフォームにより、ユーザーは革新的な医療機器をより自信を持って開発および検証できるようになります。
医療機器メーカーは、PyAnsys-Heartプラットフォームを用いて複雑なプロセスを簡素化することで、設計を洗練させ、新たな治療オプションを探求できるようになります。この機能は、精度と効率を維持しながら革新的な心臓血管技術の開発を目指している研究者やメーカーにとって特に価値があります。さらに、このプラットフォームでは、患者固有の解剖学的および生理学的詳細を活用することで、実際のシナリオと密接に整合するシミュレーションを行うことができます。
PyAnsys-Heartプラットフォームは、潜在的なリスクの評価、製品設計の改良、疾患状態のシミュレーションのいずれの場合でも、心臓血管モデリングにおける複雑な課題に対処するために必要な精度と柔軟性をユーザーに提供し、医療機器や治療法の開発におけるイノベーションを大きく促進します。
PyAnsys-Heartプラットフォームの詳細をご確認ください。また、ヘルスケア分野におけるシミュレーションソリューションもご覧ください。
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「従来であれば、さまざまな物理現象をシミュレーションするためにさまざまなソルバーが必要で、効率が悪く、時間がかかっていました。PyAnsys Heartを使用すれば、モデルをツール間で移動する必要がなく、非常に詳細な電気モデルを作成し、それを力学モデルに結合してから、流体モデルに結合することができます。これはすべて、ジオメトリを変更することなく、同じソルバー内で行うことができます。」
— Mark Palmer(Ansys, part of Synopsys、Lead Chief Technologist of Healthcare)
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