キャビテーション

キャビテーションとは、流動力学的な作用によって局部の静圧が蒸気圧未満に低下した場合に、液体内に蒸気気泡が生成される現象です。気泡は通常、持続時間が短く、より高い圧力に接すると崩壊します。この現象はノイズや振動、構造的な摩耗や破損の原因になり、性能の低下を招く可能性があります。

キャビテーションは、流体の流れに関係する、次のような製品で問題を引き起こす場合があります。

  • ポンプ(容積式)
  • 燃料噴射装置
  • バルブ
  • コンプレッサー
  • ターボチャージャー
  • プロペラ(およびその他の海洋用途)
  • 余水路

ただし、次のように制御下でキャビテーションが有益となる用途もあります。

  • 超音波機器(衝撃波砕石術)
  • キャビテーション噴流による表面洗浄
  • 低抵抗魚雷および船体

設計プロセスの初期段階でこの現象を特定すると、設計のやり直しを回避できます。しかし、キャビテーションが高レベルに達して騒音や振動が発生するまでは、一般にキャビテーションを特定できません。その段階になっても、キャビテーションが問題の根本原因であると確認することは困難です。多くの数値流体力学(CFD)ソフトウェアパッケージでは、キャビテーション予測に難点があります。その原因としては、構造コンポーネントの運動を考慮できない、キャビテーションの高精度シミュレーションで要求される流体解析とその他の物理モデルの組み合わせに対応していない、キャビテーションモデルを提供していないか、モデルが限定されていることが挙げられます。キャビテーションを正確に予測できなければ、効果的な設計の最適化や、動作パラメータおよび限界の設定ができず、製品で想定外の振動および損傷が発生する危険性があります。

高精度シミュレーションを使用すると、タイミングが重要視される熾烈な環境の中で、効率性、信頼性、安全性、耐久性の向上につながる代替の製品設計やプロセス設計を、エンジニアリングチームが迅速に評価することが可能になります。ANSYS CFDソリューションは、キャビテーションの正確かつ迅速な分析に欠かせない構成要素を提供します。ANSYSのダイナミックメッシュや移動メッシュを利用すると、キャビテーションが問題になりがちな用途でよく使われる、インペラーや羽根などの可動要素を、高い精度で簡単にモデル化できます。このような用途では多くの場合、流体と構造の相互作用が重要な特性ですが、ANSYS CFDソリューションを使用すれば、これを簡単に予測できます。ANSYSは、キャビテーションや乱流のサブモデルを含む最高精度の混相モデルを数多く提供しています。用途に最適なモデルを選ぶことで、最大の精度を達成できます。キャビテーションは、正しく理解すべき重要な数値流体力学アプリケーションです。

キャビテーション:正しく理解すべき重要なアプリケーション

ポンプのキャビテーション

ANSYS Fluentによるジェロータポンプ内の油の容積のシミュレーション。ギアウォールに対するキャビテーション(赤)の範囲を表示。