ボルト締結アセンブリーのシミュレーション

部品を一体に組み立てられる多くの方法の中で、保守または修理のために部品を分解する必要がある場合はボルトが便利です。ボルトは、溶接が困難な場合に異種材料の部品を結合するためにも使用できます。

FEAの観点では、ボルトは多くの方法でモデル化できます。拘束方程式を使用した部品間の単純なリンクから、完全なねじの詳細を含めることも可能な、ボルトの完全な詳細モデルまであります。どのモデルを使用する場合であっても、ボルト締結アセンブリーのシミュレーションでは通常、現実を再現するために複数のステップの解析が必要になります。アセンブリーはまずボルトで締結され、その後で使用環境に対応した荷重および境界条件を与えられます。構造解析モデルでも、同様の方法で荷重を適用できます。ボルトのプリテンションが最初に適用され、モデル内で応力と変形が発生します。次に、ボルトが固定されたら、追加荷重が適用されます。

ここでは、ボルトが形状としてモデル化されているものの、詳細なねじ部は含まれていないアセンブリーに焦点を絞ることにします(以下の内容が単純なビーム要素としてモデル化されたボルトにも同様に当てはまることに注意してください)。このようなモデルを作る際に直面する課題は何でしょうか?何を調べることが必要でしょうか?まず、ボルトを扱う場合の最大の課題の1つは、ボルトが1本という状況がほぼないことです。実際には、数百本ではないにしても、数十本はある可能性が高いでしょう。多数のボルトを効率的に取り扱うにはどうすれば良いでしょうか?単純に1本のボルトを設定して、その設定を残りすべてのボルトに複製することは可能でしょうか?そのようにすればモデルを効率的に設定し、接続されたさまざまな部品とボルトの間のすべての接触を反映できるでしょうか?

次のビデオは、モデルにボルトのプリテンションを効率的に適用する方法と、ボルト締結アセンブリーの設計を解析するために複数のステップによる解析を使用する方法を示しています。

ANSYS Mechanicalによってボルト締結アセンブリーがどのように効率的に取り扱われるかをご覧ください。

形状をインポートすると、アセンブリーの中で接触が自動的に検出されます。ユーザーに要求されるのは、結合された部品とボルトの間の接触が適切な物性(例えば、摩擦なし、所定の摩擦係数)を持っているか確認することのみです。接触を適切にグループ化することは良い方法であり、そうすればモデルを再利用する際に接触を識別することができます。

Contacts Between Bolts

結合された部品とボルトの間の接触

次に、各ボルトのプリテンションを定義することが必要です。ここでの最善策は、単一ボルトで荷重条件を作成した後で、同じ物性を持つ他のすべてのボルトに条件を複製することです。マウスを数回クリックするだけで、モデル内のすべてのボルトに条件が生成されます。

Definition of Bolt Pretentional Auto Gen Loads

ボルトプリテンションの定義と複数のボルトにおける荷重の自動生成

前述のように、シミュレーションは少なくとも2つのステップで構成されます。プリテンションを適用するステップと、ボルトが拘束された状態で固定されているときにその他の荷重を適用するステップです。1つ目のステップでは製品の組み立てが再現され、2つ目のステップでは実際の荷重条件下における製品の実際の挙動が再現されます。ボルトのプリテンションを荷重または締め付け調整量で定義した場合、すべての荷重が適切に適用されていることを確認するために、反力を調べるとよいでしょう。ここでも再び、自動化によって多くの時間を節約できます。1本のボルトで調べたい結果を定義し、その他すべてのボルトで結果の作成を自動化します。

Typical Results for a Bolted Assembly

ボルト締結アセンブリーの代表的な結果

Contact Pressure Bolt Head Pretention

プリテンションが加わった状態で、実際の荷重条件下でのボルト頭部での接触圧力

Picture of Pretension Results

プリテンション結果の図(コンター図と表)

Stresses Induced by Bolts Pretension Results

ボルトに誘起される応力とプリテンションの結果

ボルトのさらに詳細な解析に関心がある場合は、ねじ部の詳細を考慮することもできます。しかし、ねじ部の形状をモデル化する場合、応力を表現するのに高いメッシュ密度が必要になるため、モデルが大規模になります。それよりも、ねじ部をねじ形状のない接触としてモデル化する方がはるかに良い方法だと考えられます。接触アルゴリズムによって、下図に示すように正確な応力が計算されます。このモデル化手法の詳細につきましては、ANSYSまでお問い合わせください。

Simplified Model for Faster Threads

ボルトねじ部の高速でありながら正確な解析のための簡略化モデル