東京エレクトロン株式会社様

“ミッションは「試作なし」”
難題にANSYS の解析ツール群で挑む

半導体製造装置メーカーは、常に最新技術を追い求めている半導体メーカーの要求に応えるため、世界最先端の技術開発をし続けていかなければならない。そのような厳しい事業分野において、東京エレクトロン株式会社は国内トップ、世界でも第3位のシェアを持っている。同社ではかなり以前から、製造装置の中で起きている現象の解明や予測にシミュレーションソフトウェアを活用しており、ANSYS Fluent の長年のユーザーでもある。東京エレクトロン株式会社において、シミュレーションソフトウェアを正しく効果的に使ってもらえるよう展開する役割を担う、技術開発センター シミュレーション解析支援G 主任技師の吉備和雄氏に、ANSYS Fluent を使い続けている理由や、シミュレーションソフトウェアで目指すビジョンについて伺った。

東京エレクトロン株式会社 技術開発センター
シミュレーション解析支援G 主任技師

吉備 和雄 様

超微細な半導体製造プロセスを解析するANSYS Fluent

同社が開発製造する半導体製造装置の多くは、半導体製造プロセスの中で「前工程」と呼ばれる、シリコンウェハー上に微細なトランジスタを作る工程に向けたものだ。このトランジスタは現在、十数ナノメートルスケールまで小さくなっており、とうてい人の目で見えるものではない。このような微細な加工は、工具で削ったりするのではなく、さまざまな物理的/化学的反応を組み合わせて行う。そうした反応現象を作り出すには、「流れ」の解明が必要となるため、熱流体解析ツールの導入を検討し、検証の結果いくつかのツールの中からANSYS Fluent のソルバーを選んで1990 年ころに研究開発部門が導入した。

バッチ洗浄槽ウェハ間衝突噴流の計測と乱流解析の比較
(左)PIV計測結果 (右)ANSYS Fluent の計算結
バッチ洗浄槽ウェハ間衝突噴流の計測と乱流解析の比較


しばらくは主に研究開発部門が使っていたが、2000年以降は設計の現場への展開が進む。これは、3D CAD の普及によりシミュレーションツールに必要な3D モデルが設計現場に多数存在するようになったことが大きい。この時期、設計現場には複数のシミュレーションソフトウェアが普及したが、熱流体解析ツールのコアとしてANSYS Fluent の導入が進んだ。東京エレクトロン株式会社では、国内拠点のそれぞれが別の装置を開発、製造しているため、全拠点にANSYS Fluent を展開している。「上流から下流のいろいろなところで使っていますが、例えば装置のコンセプト出しの段階で、マクロ的なレイアウトをFluent の中でモデリング化して、どういうパターンができるか検証するというような使い方をしています。また量産装置の設計段階で、基準となる分布などのシミュレーションにFluent は重要な役割を担っています」(吉備氏)。また何かの問題が起きたときの熱流体現象解明において、半導体製造装置が実際に処理しているところを直接測定することは不可能なため、ANSYS Fluent を使って計算し予測している。

1990 年からもう25 年ほどもANSYS Fluent を使い続けている理由について、吉備氏はこう話す。「一番重要なのはソルバーの信頼性です。そしてもう一つ大きいのはサービスサポート。サポート担当の方に技術のスペシャリストがいらっしゃいますし、システム側の方も丁寧に状況を連絡してくださるなど、適正に現場をサポートしていただけることです。また、GUI の改良や環境インフラへの対応、クラウドサービスなどへの展開もされていることで長くおつきあいさせていただいています。」

ミクロ粒子の流体粘性力による圧力依存性解析1 ミクロ粒子の流体粘性力による圧力依存性解析2
(左)50 [mTorr] (右)500 [mTorr]
ミクロ粒子の流体粘性力による圧力依存性解析


試作の膨大なコストと期間をシミュレーションソフトがなくす

設計の上流から下流までシミュレーションソフトウェアを活用している同社だが、いま経営陣からはもっと難しいミッションが与えられているという。それは「試作を作らない」というミッションだ。半導体製造プロセスの評価は、クリーンルームを用意し、装置とそのインフラを設置して、テストサンプルのウェハーを使ってテストすることになり、莫大なコストと時間がかかる。そのため、試作を作らずにすめば非常に大きな経済的、時間的メリットが得られることは間違いない。だが言うまでもなく、製造装置の中で起きるすべての現象をシミュレーションで済ませて試作をなくすことは非常に困難で、吉備氏の同僚からも「果たして我々が現役のうちにできるのだろうか」との声が上がっている。それでもすでに、一部のプロセスについては試作なしで装置を製造し、客先に納品するということもはじまっている。

シミュレーションソフトが各拠点、設計現場にも普及したことを踏まえて、吉備氏は2010 年に一つのビジョンを描いていた。そのキーワードは、シミュレーションをどう設計に生かすか、どう予測するか、そして事業にどう貢献するかだ。このビジョンは経営層や現場と共有し合意を得て、具体的な展開についてロードマップを作って進めている。工場サイドからの要望を聞き、ブレイクダウンしてマップ化したものだ。大きなものとして各種の連成計算や寿命予測があるという。「製造装置の中の部品がどれだけ長く使えるかは、実際のいろいろな現象の影響を受けるため予測が難しいが、これを技術的に解明していきたい」(吉備氏)。


使用したANSYS 製品

製品使用における利点

  • 信頼性の高いソルバー
  • 適正に現場をサポートできるサービス
  • 試作なしの製品設計
東京エレクトロン株式会社様 東京エレクトロン株式会社
http://www.tel.co.jp/

所在地:
〒107-6325 東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー

東京エレクトロン株式会社は、1963年に株式会社東京放送の出資によって設立された技術専門商社、株式会社東京エレクトロン研究所に端を発する。1970年代から半導体製造装置の開発と製造に取り組み、現在は半導体製造プロセスの主要工程をカバーする各種製造装置と、フラットパネルディスプレイ製造装置を手がける。国内外に、製造、サポート、販売、研究など30 社ほどのグループ会社を持ち、従業員数は1,500 人(単独、2015年4月1日現在。連結では約1.1万人)。2015年3月期の連結売上高は6,131億円、このうち約9割を半導体製造装置部門が占める。

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