パナソニック株式会社様

自社デバイスの顧客企業への提案において、回路に組み込んだ状態での高速信号や電磁界の振る舞いをわかりやすく提示するためには、ANSYS の連成機能が最適

パナソニック株式会社で、汎用品からカスタム品に及ぶ幅広い電子部品や、自動車関連電子機器などを扱うオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社。その中で、事業部の技術支援、新規事業開発の事業支援、顧客の技術支援の3 つを受け持つのが、新規事業本部 インダストリアル事業開発センター システム事業統括グループだ。同グループはANSYS の各種ツールを使い、事業部の設計現場から少し離れた立場で、事業部横断的に、デバイス設計に織り込む電気回路のノイズと熱に関する最適化や、設計で発生した問題解決のための解析とその妥当性評価を行なっている。統括グループ内サービス開発グループ 解析エンジニアリングチーム チームリーダーの東谷比呂志氏に、なぜANSYS を選択したのか、どういった成果をもたらしているかを聞いた。

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
新規事業本部 インダストリアル事業開発センター
システム事業統括グループ サービス開発グループ
解析エンジニアリングチーム

東谷 比呂志 様

総合的解析をする上でANSYS 製品が必要不可欠である

もともと高周波解析ソフト向けにデバイスライブラリを提供するためというのが、東谷氏のチームが活動をスタートした理由だが、ここ数年グローバルな競争が激化する中で、ただライブラリを提供するだけでは足りず、製品を顧客のセットに組み込んだときにどのように振る舞うか、その裏付けとなるデータをデバイスメーカーから出し、そこで問題が起こるならその対策までも提案しなければ勝ち残れなくなってきた。その上、顧客が解決できていない問題に対しても、ノイズや熱などのソリューションを提供することがビジネスチャンスを得る上で重要になってきたという。

そうした状況でANSYS を選択したのは、電子デバイスを設計する上で必須の回路解析ソフトと電磁界解析ソフトを組み合わせて連成をかけるという機能において、ANSYS のツールは先駆者的存在であり、⾼速デジタル信号やハイパワー電源を扱う分野まで包含するためには「ANSYS のツールが一番の近道だった」のだ。回路と電磁界の連成機能に加えて解析精度や解析時間の両立、さらに、熱の解析や構造解析も視野に入れた場合、機能面、性能面においてANSYS は「優れたポテンシャルを有している」(東谷氏)。

パナソニック株式会社様 トータルソリューション概念図

AIS社デバイスを用いた機器全体解析によるノイズ・熱対策提案
AIS社デバイスを用いた機器全体解析によるノイズ・熱対策提案


劇的なリードタイム短縮と大きな波及効果

ANSYS ツールの活用による利点は、上記のようなソリューション提供だけに止まらない。解析ソフトの利用によるデバイス開発におけるリードタイム短縮もさることながら、それを組み込んだセット開発におけるリソースの削減とリードタイム短縮に多大な効果を発揮する。オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社内の開発現場においても、解析ソフトを使って定量化したり見える化するという活動は浸透しておらず、例えばノイズ対策に関しても、試作した製品をEMC サイト(電波暗室)で測定し、対策したものを試作してまた測定ということを繰り返していた。そこには理屈ではなく、経験と勘による対策が主体であったため、次の製品開発に生かされないという問題があった。ここに解析ソフトによる“理屈” を持ち込むことで、10 回の試作が2 回で済むほどの劇的な効果があったという。

この劇的効果は、従来設計者が基板設計、構造設計をして試作してだめだったら手戻りが起きていたのに対し、ANSYS によってそうしたパターンをバーチャルな空間でいくつも並行して回せるようになったため。1、2 週間のうちに従来の実設計の10 倍以上のパターンを回しているという。さらに解析ソフトでは解析済みのものを“プロジェクト” という形でデータベース化できるため、ある程度基準化されたベースの設計データができれば、次の同種の開発の際に再利用がしやすく、中長期スパンで考えるとその効果は非常に大きいといえる。そのほか、新人エンジニアの新人教育において解析ソフトを集中的に教えることで、現場の即戦力として活躍できるという。

以上は設計現場におけるANSYS 活用の利点だが、効果はそこだけにはとどまらない。解析ソフト導入の効果として東谷氏が挙げたのは、事業部と本部の連携強化、顧客との言語を超えたやりとりだ。事業部から「こういう根拠で設計しています」とデータで示すことができるため、事業本部と事業所や事業所間を結びつけるコミュニケーションツールとしての役割を果たす。国内・海外問わず顧客に対しては、「対策前・対策後の状況をデータ提供や見える化によってわかりやすく示すことができ、よりスムーズな営業が可能になっている」。

回路設計の上流段階でのノイズ・熱の抜本対策(対策から設計へ)
回路設計の上流段階でのノイズ・熱の抜本対策(対策から設計へ

東谷氏は「リードタイム短縮においても、大規模な回路を解いていくことにおいても、またできるだけ設計完成度を上げるという点においても、解析ソフトなくしては進めることはできない。我々が関わったすべての業界で、解析ソフトの結果を持っていくと感動されたり共感を得たりすることが多い。弊社では間違いなく解析ソフトの本数は増えているし、熱や構造解析の機能の拡張も予定している」とし、今後もANSYS のツールを中心に活用していくと話した。


使用したANSYS 製品

  • ANSYS Designer
    電磁界・電子回路&システム統合設計環境(※)
  • ANSYS HFSS
    高周波3次元電磁界解析ソフトウェア
  • ANSYS SIwave
    プリント基板、BGA パッケージ向け SI, PI, EMI 解析ソフトウェア
  • ANSYS Q3D Extractor
    電子部品向け寄生パラメータ抽出ソフトウェア
  • ANSYS Simplorer
    パワーエレクトロニクス向け回路・システムシミュレータ
  • ANSYS Maxwell
    2 次元/3 次元電電磁界解析ソフトウェア
  • ANSYS Icepak
    電気・電子機器熱流体解析ソフトウェア
  • ANSYS Mechanical
    構造・伝熱解析ソフトウェア

(※)ANSYS Designer については、RF オプション または SI オプション をご参照ください。

製品使用における利点

  • 高速デジタル信号や大電力を含めすべてを包含
  • さらに熱や構造解析ツールとの連成も可能
  • 回路と電磁界の連成機能の先駆的立場と実績
  • セット開発のリソース削減
  • 製品開発リードタイムの削減
  • 対策・効果の可視化による顧客や事業所間コミュニケーションの向上
  • 新人を短期間で戦力化可能
パナソニック株式会社様 パナソニック株式会社様
https://panasonic.co.jp/ais/

所在地:
〒571-8506 大阪府門真市大字門真1006 番

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、オートモーティブ社とデバイス社を事業統合して2013 年4 月に発足した。オートモーティブ関連では、車載マルチメディア関連機器、環境対応車関連機器、電装品など、旧デバイス社を引き継ぐインダストリアル関連事業では各種電子部品、電子材料、半導体、電池、蓄電システムなどの開発・製造を行なっている。また電子部品実装関連システムや溶接関連システム、自転車関連事業も含まれる。

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