日本ピラー工業株式会社様

自動車用ミリ波帯レーダーアンテナの設計にANSYS HFSS を活用、高速で安定した解析とスケーラビリティによってクライアントが求める製品を最短時間で設計

産業用シーリング製品を主力とする日本ピラー工業は、フッ素樹脂加工技術を生かしたフッ素樹脂基板、さらに高周波帯で損失が少ないという長所を生かしたアプリケーションとして、自動車用ミリ波帯レーダーアンテナの開発と製造を手がける。アンテナ開発現場においては、開発の初期段階から高周波 3次元電磁界解析ソフトウェア「ANSYS HFSS」を利用し、クライアントからの厳しい要求に応えている。日本ピラー工業でミリ波レーダーアンテナの開発を担当するプロセス開発部専任部長で工学博士の瀬尾和之氏に聞いた。

日本ピラー工業株式会社
プロセス開発部
専任部長

瀬尾 和之 工学博士

コストを抑えて早く結果を出せる ANSYS

日本ピラー工業のミリ波レーダーアンテナは、フッ素樹脂基板の両面に銅箔によるパターンを描いたもので、乗用車の前方監視用システム(オートクルーズ、オートブレーキなど)として、取引先の自動車メーカーの要求仕様に合わせて開発している。ここでの課題は、メーカーからの要求は先方の状況によって日々変化するので、それに対して短時間で回答する必要があり、解析結果が早く得られることが求められる。

瀬尾氏は20年以上もアンテナ設計に携わり、これまで多くの解析ソフトの経験を持つ。ミリ波レーダーの開発においては当初から ANSYS HFSS を利用していたということだが、「最近他社製品も含めて改めてレビューし、改めて ANSYS が適していることを認識した」と話す。ポイントは解析が短時間で終了することと、コスト、スケーラビリティだ。

ANSYS HFSS は他の解析ソフトと比べ、多くのメモリを必要とするが、短時間で計算が終了する。メモリはかつてと比べ非常に安くなったため、多くのメモリ( 500 ギガバイトクラス)を搭載した計算用サーバーが比較的低コストで購入できる。解析ソフトによっては、計算の高速化のためGPU カードを利用するものもあるが、GPU カード上には5ギガバイト程度しかメモリが載っていないため、数百ギガバイトクラスの解析には、 GPU カードが多数搭載できる非常に高価なGPU サーバーが複数台必要となり、大きなコストがかかってしまう。ソフトウェア自体の価格は他の製品もほぼ変わらないため、ハードウェアコストの多寡は全体のコストを大きく左右する。

日本ピラー工業株式会社

ANSYS HFSS が採用している解析手法は有限要素法と呼ばれるものだが、これには安定した解が得られるという利点がある。他の解析手法を採用した解析ソフトでは、解析の設定によって解が大きく異なることがあり、極端なときには明らかにおかしな解になることもあるという。ANSYS HFSS は設定の仕方による解のぶれが少なく、結果として無駄な解析シミュレーションがなくなり、早く正しい解が得られるといえる。

ANSYS HFSS は2年前にHPC オプションをリリースしたが、これによって複数台の計算サーバーで解析できる分散計算をサポートした。これは、計算サーバーを増やしていけばより複雑なモデルでも解析できることを意味しており、取引先の今後の要求にも応えていける。これで「お客様が求めるアンテナを最短時間で設計できる」という。現在日本ピラー工業では、 512 ギガバイトのメモリと 4つのXeon CPU(8コア)を搭載した計算サーバーを使用して、仮想的に 32 台のコンピュータとして利用している。

外形図
外形図

ANSYS が業界で広く使われていることも大きなメリットだ。「 ANSYS HFSS はお客様でも利用されていて、我々の解析シミュレーションの解がお客様の解と同じということも大きい。違う解析手法では『この解析結果は本当なのか?』というところから議論が始まってしまう。我々の現場では、実際のものづくりの前にまずシミュレーションで設計し、それを先方に持って行って打ち合わせして、またやり直すことを何度も繰り返してから試作に入る。同じ解析ソフトを使っていることで、そのやりとりが非常にスムーズに進む。このメリットは非常に大きい」。

もうひとつ、瀬尾氏が重視しているのが ANSYS のサポートの質だ。最近では、メールによるサポートが主流となってきているが、落ち着いて余裕のあるときはよいものの、急いでいるときはやりとりに時間がかかってしまう。その点 ANSYS は電話するとすぐその場で返答してもらえるため、緊急時など非常に助かっているという。 Web フォームからの問い合わせに関しても 24時間以内での返答を約束しているが、瀬尾氏はそちらについても返答の早さを高く評価している。

「我々の事業にとって、解析シミュレーションソフトは絶対に欠くことの出来ないもの。お客様からの要求はどんどん複雑なものになり、大きなメモリが必要な巨大なモデルの解析が必要になってくるが、 ANSYS HFSS ならばそういう状況にも計算サーバーを増やすことにより比較的低コストで対応できる」と今後の展開にも対応可能なスケーラビリティを評価する瀬尾氏。「今後の増強もANSYS を選ぶ」という。

アンテナ指向性

使用したANSYS 製品

  • ANSYS HFSS
    高周波3次元電磁界解析ソフトウェア

製品使用における利点

  • 製品に最適な解析手法
  • 分散計算が可能なスケーラビリティ
  • 費用対効果の高さ
  • クライアントと同じ解析ソフト
  • 現象の可視化
  • 問い合わせに対するサポートの速さ
日本ピラー工業株式会社様 日本ピラー工業株式会社様
https://www.pillar.co.jp/

所在地:
〒532-0022 大阪市淀川区野中南2-11-48

日本ピラー工業株式会社は1924年に創業した、流体の漏れを止めるシーリング技術を得意とする流体制御関連機器メーカー。社名は最初の製品である「特許ピラーパッキン No.1」の形状が柱状(Pillar)であったことに由来する。長年培った材料技術、精密加工技術により、コア製品である産業機器向け「シール製品」や、半導体・液晶製造プロセスで高い評価を得ている「フッ素樹脂製流体機器」の高機能化・高度化を進めている。また、フッ素樹脂基板も手がけており、ミリ波帯における同基板の特性の良さを生かしたアプリケーションとして、自動車用レーダーアンテナを開発・製造している。

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