名古屋市工業研究所様

さまざまな企業からの、電子機器の発熱対策に関する相談にANSYS Icepak の熱解析で応える

名古屋市工業研究所は、昭和12年設立の名古屋市工業指導所から続く、名古屋地域の産業振興を長く支えてきた施設だ。名古屋市の機関であるが、名古屋圏の企業はもちろんのこと近畿、関東、遠くは東北や九州の企業も技術相談に訪れるなど、その支援は規模の大小や地域を越えて数多くの企業を支えている。その名古屋市工業研究所の電子技術総合センターで、熱問題についての技術者からの相談に対応しているのが、システム技術部 生産システム研究室の梶田欣氏(工学博士)だ。さまざまな製品の熱問題解決を支援してきた経験をもとに、熱解析ソフトウェアを使うことの利点についてお話を伺った。

名古屋市工業研究所
システム技術部
生産システム研究室

博士(工学)
梶田 欣 様

製品や部品が小型化するにつれ重要性を増す熱解析

梶田氏が対応する熱に関する相談では電子機器関連が半分以上を占める。製造後に不具合が起きて動かないという問題の解決や、製品を作る前にうまく動くかどうかという相談を受けるという。作ったものに関してはそれを調べるのが一番早いが、作る前のものについては熱解析ソフトウェアや手計算によって温度を予測して、条件が厳しければどう改良するかを、再計算や設計の見直しによってうまく動くようサポートをしている。

電子製品の熱設計上の問題は以前からあったが、最近は解析ソフトを使ったシミュレーションを解決に役立てることが増えてきている。昔の製品では各部品の温度管理がそれほど重要ではなく、装置内のおおざっぱな予測で十分だった。ところが製品筐体はどんどん小さくなっていき、電子部品も超小型になった。それらすべてが適切な温度範囲内で動く必要があるために、従来使われていたおおざっぱな伝熱の計算手法では対応しきれなくなったことが、熱解析ソフトウェア利用増加の大きな理由だ。設計に3D CAD が普及し、そのデータを使うことで解析がしやすくなったこともあると考えられる。

「熱解析ソフトウェアに計算させることで、手計算よりも精度よく温度を予想できるようになったことは大きなメリットです。また、熱設計で問題が起きたとしても、いろいろな制約があって変更できる部分は多くはありません。そういう小さな変更でどのくらいの効果があるかが、熱解析ソフトウェアを使うと数字として出せるのはもちろん、ポスト処理によって視覚的に表現できるので、例えば、ここに壁を入れたら温度がどう変化するかといったことが非常に分かりやすいのです。設計開発に携わる技術者の思考を助け、改良のヒントも与えてくれます」

電子機器の発熱対策の解析事例1

ノイズなしの理想状態で検証できるのが熱解析ソフトウェアの利点

結果を視覚的なものとして分かりやすく見せられることは技術面以外でも重要で、相談に来た技術者が帰社した際に周囲から理解してもらいやすかったり、上司を説得しやすかったりするのだという。梶田氏はさらに、実測と熱解析ソフトウェアの違いについてこう話す。

「世の中には実測が完璧と思われている風潮がありますが、実測結果にはノイズがたくさん乗っていて必ずしもそれが正しいとはいえません。熱解析ソフトウェアによる計算では、正しいモデルで計算していれば変なノイズは入らず、理想状態で検証できます。そういう意味では実測よりも、熱解析ソフトウェアによる計算の方が便利なことは多いのです」

細かい設計変更による結果をすぐに確認できるという便利さに加え、コスト面のメリットももちろんある。試作品の製作には月単位で時間がかかるし、お金もかかる。熱解析ソフトウェアの計算で済ませられることで無駄な試作の回数を減らせるのは大きなメリットだ。解析結果をもとに最適化を図ることで、例えば冷却用のファンが1つ減らせることにつながったりする。ファンはあくまで冷やすためのもので、故障や騒音、コストといった要素を考えると、技術者にとってはできれば減らしたい部品なのだ。

電子機器の発熱対策の解析事例2

企業での熱解析の利用は増加傾向

熱解析ソフトウェアとしてANSYS Icepak を足かけ10 年に渡って使っている梶田氏が、ユーザー目線で評価しているポイントは、解析の前提となるモデリングのしやすさ、解析速度の速さ、非構造メッシュへの対応、そしてサポートのレスポンスの良さとその技術レベルの高さだ。

「ほかの製品と全く同じモデルを作ることはできないので比較は難しいところですが、Icepak は手軽にモデルが作れるところが気に入っています。他のツールではまずCAD データを読み込んでくる必要があるものが多いのですが、Icepak はオブジェクトをおいて画を描くようにモデリングできます。感覚的ですが計算もかなり速いですね」

数多くの企業の技術者とやりとりする中で、熱解析ソフトウェアを利用する企業が増えていることを梶田氏は実感している。

「私たちのところに来て熱解析ソフトウェアに触れたことがきっかけで、自社にも導入した技術者もいます。熱解析ソフトウェアを導入した企業の技術者とは、モデルのやりとりが簡単にできるので、議論が非常にスムーズになっています。そうした議論の中では、お互いに気づかなかったことへの気づきが生まれたり、製品そのものや解析モデルに関するノウハウが集まったりすることで、お互いの成長につながっています」


電子機器の発熱対策の解析事例3
電子機器の発熱対策の解析事例4
電子機器の発熱対策の解析事例5

使用したANSYS 製品

  • ANSYS Icepak
    電気・電子機器向け熱流体解析ソフトウェア

製品使用における利点

  • モデリングのしやすさ
  • 解析速度の速さ
  • サポートの技術レベルの高さ
  • 電子機器向け熱流体設計解析ソフトウェアとして唯一、非構造メッシュ対応
名古屋市工業研究所様 名古屋市工業研究所
http://www.nmiri.city.nagoya.jp/

所在地:
〒456-0058 愛知県名古屋市熱田区六番3-4-41

名古屋市工業研究所は、主に中小企業の生産技術向上や研究開発における技術支援を目的として、技術相談や各種試験・分析、受託研究、また熱や音響、振動特性などの試験設備の開放や、機械・化学・電子などの技術者向けの研修コースを設けている。技術図書や雑誌など3 万冊を備えた産業技術図書館を備え特許情報データベースの利用ができるほか、研究所独自の技術情報誌も発行している。

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