セイコー化⼯機株式会社様

開発からクレーム対応まで、耐蝕ポンプ・耐蝕送⾵機・環境装置を⾼い解析精度で⽀えるANSYS

創業時からプラスチックを材料にしたものづくりに取り組んできたセイコー化⼯機株式会社は、化学溶液を扱えるポンプが欲しいという顧客の声に応え、それまで⾦属製だったポンプをプラスチックで作ることで薬品に侵されない耐蝕ポンプや送⾵機を作り出した。さらに腐蝕性気体の搬送ができる耐蝕送⾵機、公害対策として求められた排ガス処理装置や脱臭装置などプラスチックに基づく環境装置の開発にも成功した、産業⽤耐蝕装置のパイオニアだ。

同社では早い時期から解析ツールを導⼊し、製品開発において⼤きな成果を上げている。また最近ではさらに解析ツールの活⽤を広げるべく、若⼿エンジニアに社内教育を⾏っている。セイコー化⼯機株式会社 技術部 技術開発研究所 主任の⾼梨 武⽒と、主任の藤原 匡裕⽒に、ANSYS の解析ツール導⼊で得られた具体的成果や解析エンジニア教育の取り組みについてお話を伺った。

セイコー化⼯機株式会社 技術部 技術開発研究所 博⼠(⼯学) 主任 藤原 匡裕 ⽒

セイコー化⼯機株式会社 技術部 技術開発研究所
博⼠(⼯学) 主任
藤原 匡裕 ⽒

セイコー化⼯機株式会社 技術部 技術開発研究所 博⼠(⼯学) 主任 ⾼梨 武 ⽒

セイコー化⼯機株式会社 技術部 技術開発研究所
博⼠(⼯学) 主任
⾼梨 武 ⽒

ANSYS の導⼊で試作数と開発期間が激減

セイコー化⼯機は2001 年頃に最初の解析ツールとして流体解析のANSYS Fluent を導⼊、その後2010 年に構造解析のためANSYS Professional NLS を追加導⼊した。耐蝕ポンプの開発を担当しANSYS Fluent の導⼊に関わった⾼梨⽒は「事務⽤のパソコンソフトなどに⽐べると⾼価なので、本当に効果が出るのかと社内で疑問の声もありました」と当時を振り返るが、それを払拭するのにそれほど多くの時間は必要なかった。導⼊後1 年ほどで、ポンプや送⾵機内部の⽻根⾞(インペラー)の開発において、はっきりと⽬に⾒える結果を出せたからだ。「(導⼊前は)開発に当たって10 枚近く作っていたインペラーの試作が、Fluent 導⼊後には1 〜2 枚で済むくらいに減りました。開発期間も、1 年くらいかかっていたのが2 〜3 カ⽉程度にまで短縮できました」(⾼梨⽒)

インペラー開発において、試作枚数が5 分の1、開発期間も4 分の1 以下になったことは⾮常に⼤きなメリットだが、評価の理由はそれだけではない。⾼梨⽒が印象に残っていると話すのが、特注品の設計における性能予測の精度の⾼さだ。送⾵機によってガスを⾼い圧⼒で圧縮すると熱が発⽣するが、ある特注品についてANSYS Fluent で計算したところ常温で⼊ったガスが吐き出し⼝では125℃くらいになるという結果を得た。実験で測定したガスの温度は127 〜130℃で「かなり⾼い精度で予測できました。これが経験上⼀番役に⽴った事例ですね」(⾼梨⽒)

ポンプケーシング補強取付時の内圧によるひずみ
ポンプケーシング補強取付時の内圧によるひずみ

“耐蝕” をコア技術とする同社にとってシミュレーションの重要なメリットは、⾒ることができないものを可視化できることだと、⼯場などで発⽣する排ガスから化学物質や臭いを取り除く洗浄塔という環境装置の解析を担当している藤原⽒は話す。「洗浄塔は危険なガスを扱うため、実ガスが流れている状況で中を⾒たり実測したりするのは⾮常に難しいのです。環境装置というくくりでは、解析ツールをガスの流れや濃度分布などを可視化するために使うことが多いですね」

洗浄塔の開発でも実験は⾏っていたが、要因解析時に⾵速分布などの影響などは確認できないため、経験と勘に頼っていた部分が多かったという。解析ツールを使えば、濃度分布や⾵速分布をグラフィカルに⾒ることができ、これが洗浄塔のガス除去性能を上げることにつながった。また、藤原⽒は解析専⾨部隊として、不具合が発⽣した場合に原因を突き⽌めるための解析を社内部署から依頼されることもある。そうした場合に⼿計算による結果を⾒せて説明しても顧客にはなかなか伝わらないが、解析ツールで作成したコンター図を⾒せると顧客がすぐに納得してくれるという。顧客対応がスムーズにできたことが何度もあって、解析ツールへの社内の信頼度が⾼まったという。

実験と解析計算の結果が合うことで若⼿エンジニアの⾃信に

セイコー化⼯機の技術部⾨は40 〜50 ⼈ほど、そのうち7 〜8 ⼈が解析ツールを使っている。これは中⼩企業としては⽐較的多い⼈数だが、⾼梨⽒や藤原⽒が積み上げた実績から、同社は開発だけでなく⼀般設計の場にも解析ツールの活躍の範囲を広げようと、CAE 技術者を社内で育成する活動を始めた。活動のスタイルは、⾝の回りにある品物で出来る簡単な実験と解析を組み合わせた実習で、例えば⽚持ち梁の固有振動数のFFT アナライザによる測定結果と、理論解・解析結果を突き合わせるというものである。最近の若いエンジニアは、学校で3D-CAD に触れているため、モデルを作るところまではすぐに出来てしまうので、いきなり製品の解析に挑戦してしまい、つまずいてしまうそうだ。そこでこの活動では、ごく簡単な事例で実測と解析が合う体験を重ねることで、⼀歩ずつ着実に解析に対する⾃信をつけて⾏って貰うことを⽬標としている。

解析者教育の模様 (模型⾃動⾞の揚⼒測定と解析の⽐較)
解析者教育の模様(模型⾃動⾞の揚⼒測定と解析の⽐較)

最初は「本当に解析ツールの答えと実測値が合うんですか︖」と半信半疑だった若⼿エンジニアも、実習で実際に試して測定と解析結果が合うことに驚き、解析ツールが開発や設計の道具として使えるという実感を得て、⾃主的に解析に取り組むケースも出てきているという。実験と解析をよく理解し、さまざまな場⾯で解決策を考えるエンジニアが選択肢のひとつとして解析ツールを使い、市場ニーズの変化に柔軟に対応できる組織作りをセイコー化⼯機は⽬指している。

UDS を⽤いた送⾵機内部の⾳源スカラー量分布
UDS を⽤いた送⾵機内部の⾳源スカラー量分布

洗浄塔ガス⼊⼝⼨法差による塔内ガス濃度分布の違い
洗浄塔ガス⼊⼝⼨法差による塔内ガス濃度分布の違い

使用したANSYS 製品

ANSYS による主な利点

  • ⾼品質な⾃動メッシュ機能
  • 解析結果の精度の⾼さ
  • 実測が困難な現象の可視化による理解

セイコー化⼯機株式会社 セイコー化⼯機株式会社
http://www.seikow.co.jp/

所在地:
〒674-0093 兵庫県明⽯市⼆⾒町南⼆⾒15-3

1952 年(昭和27 年)にプラスチックを使ったさまざまな製品を製造する企業として創業したセイコー化⼯機株式会社は、1956 年に耐蝕ポンプの製造を開始した。現在は耐蝕ポンプ、耐蝕送⾵機、環境装置(排ガス処理装置、脱臭装置)の開発から製造、販売、およびそれらのサービスを「TEXEL」ブランドで事業展開している。国内の他、中国、アメリカ、ベトナムに⽀社を持ち、社員数は約180 ⼈。

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